にもかかわらず、セブン-イレブンと他のコンビニの平均日販にこれだけ大きな差があるのは、セブン-イレブンには、少し遠くても弁当類などのオリジナル商品とPB商品を目当てに来店する客が多く、その人たちがついでに他の商品も買っていくからだ。それが結果的に売り上げの差につながっているのだ。
そして、そうした商品で重要なことはイノベーション(革新)である。私は近所の各コンビニを定期的にチェックし、気になった商品は実際に購入して試しているが、たとえばカップラーメンひとつをとっても、セブン-イレブンには他のコンビニにはないユニークな商品、少し値段は高くてもつい買いたくなるような商品が並んでいる。あるいは、季節によって出てくる商品が大きく違う。おにぎりの味も個人的には一番旨いと思う。
つまり、商品開発力という点で、セブン-イレブンの強さが圧倒的なのである。もちろん他のコンビニも努力はしているだろう。しかし、その努力の度合いや気合、最後のひと押しに差があるのだ。
ということは、いくら店舗数でセブン-イレブンを上回っても、従来の商品開発力のままだと売り上げは追いつかないのである。それに、店舗数が増えると近くの店同士でカニバリゼーション(共食い)が起きる場合があるので、売上高は1+1=2にはならない。2よりもマイナスになる。
しかも、ファミリーマートとサークルKサンクスが合併したら、おのずと1店舗あたりの平均日販は下がってしまう。なぜ平均日販が15万円とか22万円も違うのかということをきちんと考えれば、合併して店舗数を増やしたところで、何の意味もないことがわかるはずだ。
※週刊ポスト2015年4月24日号