ビジネス

「マネーの虎」が初めて明かす借金100億円ホームレス生活

ジェットコースター人生を告白する南原竜樹氏

 100億円──多くの人にとっては縁のない数字だ。だが、短期間のうちに「3つの100億円」を経験した男がいる。かつての人気番組『マネーの虎』(日本テレビ系・2001~2004年放送)で敏腕経営者と評された南原竜樹氏(55)。年商100億円の会社を経営し、高級車を乗り回して札束を机の上に並べていた同氏は最も多い時で100億円の借金を抱えて、一転して地獄に落ちた。そこから再び年商100億円に復活。南原氏が仰天のジェットコースター人生を語った。

 * * *
 この7月の決算では、売り上げが再び100億円に届く見通しで、最盛期だった2004年当時に追いつきました。あの番組で私を観ていた人は知らないと思いますが、私はあの後、カネがなくなり地獄に落ちました。ホームレスになり食べるものにまで困ったほどです。今ようやく“マネーの虎”に戻ることができました。

〈そう語る南原氏が自動車の輸入代理店オートトレーディングルフトジャパンを設立したのは1988年。当時はまだ珍しかった高級欧州車の並行輸入で業績を伸ばし、2001年にはアルファロメオの代理店であったチェッカーモータースを買収。2003年にイギリスの老舗自動車メーカー、ロータス、MGローバー(以下ローバー)の輸入権も獲得し、年商は100億円を超えた。

 当時、南原氏は起業を目指す若者らが著名な経営者に事業計画をプレゼンし、出資を募る人気テレビ番組『マネーの虎』に出演。「楽しようとするな」など応募者に厳しい発言を繰り返す南原氏は“冷酷な虎”の呼び名で、一躍有名になったが……。〉

 私の人生は、番組終了から約1年後の2005年4月にローバーが経営破綻したことで一変しました。ローバーの工場はもぬけの殻と化し、再建は不可能でした。輸入代理店である弊社は大量の在庫を抱えていましたが、アフターフォローもなくなることから新車としての価値はなくなり大幅な減損処理を余儀なくされました。

 私はそれまでピーク時で100億円もの借金を背負っていました。会社経営に借金はつきものであり、返済をしながら事業を拡大していくわけですが、それは主たる事業が稼働していることが前提です。経営の柱だったローバーを失った時点で、会社には30億円の借金が残りました。私の頭には「倒産」「自己破産」の言葉が浮かびました。

 しかし、倒産は会社の歴史を捨てると同時に、多くの人に迷惑をかけることになります。私は借金を返し、会社を再建する道を模索しました。それには、規模を小さくしてゼロからやり直すしかありませんでした。全社員263人を解雇する日、最後の挨拶をした時には涙が溢れました。事業もカネも失いましたが、人を失うことの辛さは何と表現していいか未だにわかりません。

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
左が金井正彰・外務省アジア大洋州局長、右が劉勁松・中国外務省アジア局長。劉氏はポケットに両手を入れたまま(AFP=時事)
《“両手ポケット”に日本が頭を下げる?》中国外務省局長の“優位強調”写真が拡散 プロパガンダの狙いと日本が“情報戦”でダメージを受けないために現場でやるべきだったことを臨床心理士が分析
NEWSポストセブン
ビエンチャン中高一貫校を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月19日、撮影/横田紋子)
《生徒たちと笑顔で交流》愛子さま、エレガントなセパレート風のワンピでラオスの学校を訪問 レース生地と爽やかなライトブルーで親しみやすい印象に
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信フォト)
オフ突入の大谷翔平、怒涛の分刻みCM撮影ラッシュ 持ち時間は1社4時間から2時間に短縮でもスポンサーを感激させる強いこだわり 年末年始は“極秘帰国計画”か 
女性セブン
10月に公然わいせつ罪で逮捕された草間リチャード敬太被告
《グループ脱退を発表》「Aぇ! group」草間リチャード敬太、逮捕直前に見せていた「マスク姿での奇行」 公然わいせつで略式起訴【マスク姿で周囲を徘徊】
NEWSポストセブン
65歳ストーカー女性からの被害状況を明かした中村敬斗(時事通信フォト)
《恐怖の粘着メッセージ》中村敬斗選手(25)へのつきまといで65歳の女が逮捕 容疑者がインスタ投稿していた「愛の言葉」 SNS時代の深刻なストーカー被害
NEWSポストセブン
俳優の水上恒司が年上女性と真剣交際していることがわかった
「はい!お付き合いしています」水上恒司(26)が“秒速回答、背景にあった恋愛哲学「ごまかすのは相手に失礼」
NEWSポストセブン
大谷翔平選手、妻・真美子さんの“デコピンコーデ”が話題に(Xより)
《大谷選手の隣で“控えめ”スマイル》真美子さん、MVP受賞の場で披露の“デコピン色ワンピ”は入手困難品…ブランドが回答「ブティックにも一般のお客様から問い合わせを頂いています」
NEWSポストセブン