「決して私腹を肥やしたわけではありません。昨期は1900万円を障害者支援事業に充てました。主に『エコステーション』を設置する事業で、各地の障害者施設と連携してキャップの洗浄・異物除去などをやってもらい、障害者の雇用を生み出すプロジェクトです。
『キャップをワクチンに』というフレーズを先行させましたが、団体設立当初から障害者の自立支援事業をやってきましたし、定款にもそう書いています。今回の報道が出る前から、HPで昨期は障害者の雇用創出・自立活動を集中的に展開したことを告知していました。しかし、全国の皆さんにご理解いただくには、周知が全く足りなかった」
昨期に限らず、エコ推がワクチン支援以外の寄付も行なってきたことは事実である。東日本大震災の時には計4000万円を被災県に寄付している。だが、1900万円が障害者支援に使われたとして、残り約7100万円の使い途は何だったというのか。
矢部氏は人件費が約3900万円かかったと話す。
「スタッフは13人いて平均年収は300万円に届かない状況です。恥ずかしいことに私が2012年に理事長になる前はもっと酷く、30代の男性が交通費込みで月収14万円というブラック職場で、辞めていく人も多かった。雇用保険も社会保険も整備されていなかった。スタッフの待遇改善が必要だったわけですが、彼らが責められていることも申し訳ない」
その他に事務所家賃などの管理費に約3200万円が充てられたという。
※週刊ポスト2015年6月5日号