国際情報

イルカ漁批判欧米人 自分たちの伝統文化だけは守る二重基準

「(和歌山県)太地町で捕獲されたイルカの入手をやめよ」という世界動物園水族館協会(WAZA)の要求を日本動物園水族館協会(JAZA)が受け入れた。欧米のイルカ漁反対派は「日本のイルカ漁は残酷で野蛮」と主張する。

 イルカ漁は娯楽ではなく食文化である。日本では古来よりイルカが貴重なタンパク源であった。欧米人は、「あんなにかわいいイルカを食べるなんて」と眉をひそめるが、自国で食べないものを食べる者を「野蛮」と決めつけるのはレイシズム(民族差別)の最も典型的パターンだ。

 例えばヒンズー教では牛を神聖な生き物として扱って決して口にしないが、我々日本人や欧米人は食べる。それでもインドなどに多いヒンズー教徒が批判しないのは、「食文化の違い」を理解しているからである。欧米人よりずっと文化を理解している。
 
 中国ではアルマジロを食べるし、韓国では犬を食べる風習がある。国によって事情が異なって当たり前だという意識が欧米人には希薄すぎる。
 
 食文化でいえば、餌を強制的にガチョウやカモの胃に詰め込んで太らせてから肝臓を食べるフォアグラは“残酷”な生産方法だが、このほど欧州連合(EU)議会で「残酷な方法で生産されるフォアグラの輸入と販売を禁じる」とした提案は反対多数で否決された。他国の食文化に口出しをしても、自分たちの伝統文化だけは守るダブルスタンダードである。

※週刊ポスト2015年6月12日号

関連記事

トピックス

二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン