とはいえ、GAPもファストファッション業界での生き残りをかけ、試行錯誤を続けている。
GAPよりも3~5割ほど安い価格でファッショナブルな商品を販売する姉妹業態「オールドネイビー」に店舗比重を移し、ターゲットの若者たちを呼び戻そうと必死だ。ただ、このジャンルもユニクロ系の「ジーユー(GU)」のほか、前出のZARAやH&Mも姉妹業態を持っているため、ライバルを出し抜くのは容易ではない。
いまのところ、GAPは日本にある店舗を縮小するかどうかは明らかにしていないが、このまま販売不調が続けば、何らかのリストラ策は講じざるを得ないだろう。そればかりか、再編の渦に巻き込まれる可能性まで囁かれる。
「かつてユニクロが米GAP本体を買収するのではないかと噂されたこともあったが、海外事業を展開するファストファッションブランドは、進出地域の拡大や流通システムの効率化などを図って、いつ資本参加や買収話が出てきても不思議はない」(業界関係者)
まさに生き馬の目を抜く販売合戦で鎬を削るファストファッション業界。この先GAPは突き抜けた進化で復活することができるだろうか。