白目のネタを見せるピスタチオ
小澤:ぼくはコンビニの夜勤です。彼がホストでブイブイ言わせている間に、ぼくはコンビニで夜中1人で「いらっしゃいませ」と言っていました。
――小澤さんのご実家はお金持ちだそうですけど。
小澤:祖父がカワダ(ダイヤブロックで有名な玩具メーカー)の創業メンバーなんです。こんな話があって。結婚記念日に祖父と祖母が旅行に行ったんです。千葉の勝浦なんですけど、この辺に別荘欲しいとなって。売ってるようだからって内見もせずに「ちょっと買って来るわ」って、両親へのお土産に買ってきたという。
――息ピッタリの漫才をされますが、お互いの第一印象は?
伊地知:気持ち悪いから、マジで近寄ってほしくなかったです。本当に嫌いでした。
小澤:ぼくも同じです。絶対ヤンキーだって感じで、超怖かったんですよ。ウルフカットで、サイドを金色に染めていたんですよ。そんな人怖いじゃないですか。絶対元ヤンじゃないですか。
――そこから、なぜ組むことになったんですか?
小澤:東京NSC を1年間で卒業した後に、講師がネタを見てくれる特別授業みたいなところで初めて一緒になったんです。話してみたら、すごいいい人だったんですよ。「あれっ、ヤンキーじゃないの?」みたいな感じだったんですけど。
同期は800人ぐらいいるんですけど、ぼくは目立ってなかったんです。でも相方はピンでやっていて目立っていて、ピンでできる人ってすごいなと思ったんです。話していくうちに、お笑いのことを真剣に考えているし、この人すごいと思って、ぼくから声を掛けました。
伊地知:最初は「気持ち悪いな、なんだこいつは。嫌だなあ」って思いました。でも逆に、「あれ、こんな気持ち悪い人、ほかにいるのか?」って思っちゃったんです。
小澤:実は同期に、「伊地知の足を引っ張ってるのは、お前だからな」って、すごい言われました。
伊地知:養成所に1年通ってるわけですから、ある程度は誰しも、面識があるじゃないですか。でも小澤を知っている人が、卒業した中で10人に1人もいないんです。お笑いって目立ってなんぼの世界なのに、それと誰が組みますか? と。小澤と組んだと同期に言ったら、「マジやめたほうがいいよ」って皆に言われました。
――最悪なスタートですね。そこからコンビは、どう変わっていくんですか?