芸能

さだまさしの被災地支援コンサートはNHK『生さだ』がきっかけ

2012年11月、和歌山県嶋津観光協会による流木のステージで歌うさだ

「がんばらんば日本」をテーマに、さだまさし(63才)は被災地で復興支援コンサートを行っている。このコンサートはNHK総合で放送されているバラエティー番組『今夜も生でさだまさし』(通称「生さだ」)と縁が深い。

「生さだ」は、深夜0時5分からの生放送。はがきを読むラジオのようなスタイルの番組だ。

 2012年4月29日、NHK和歌山から放送された「生さだ」で、前年9月の那智勝浦豪雨災害を案じ、“いつかお訪ねしたい”と発言。また、嶋津観光協会からの、流れ着いた流木でステージをつくったという呼びかけに“必ず行きますから、横断幕をとっておいてください”と答えていた。

 その後、何とかスケジュールを調整。11月18日、NHK福井での「生さだ」放送の後、バスで南紀に移動。前出2か所でミニコンサートを行っている。終了後の宿までのバス移動を含めると、1日で1000kmという弾丸ツアーだ。

 また、2013年11月24日NHK新潟での「生さだ」で読まれたはがきには、10月の台風により深刻な被害を受けた伊豆大島で、全壊した住宅跡で遺品を捜していた遺族が、泥だらけのレコードを見つけ、「好きだったわね、さだまさし」とつぶやいたという中日新聞の記事を視聴者が切り抜き、番組に投稿。その記事を見たさだは、2014年5月17日に現地を訪れた。

「記事に出てくる遺族のかたが気になり、調べたところ探し当てることができたんです。“これは出動だよな”という、さださんのひと言で、訪問することができました」(「生さだ」制作会社「CRAZY TV」社長・藤村尚道さん)

 空港では、記事に登場した遺族の出迎えを受け、被災箇所を回った後、役場内に設置された会場で復興支援コンサートを行った。『関白宣言』~『関白失脚』という鉄板リレーで笑いをとり計8曲を熱唱。時間ぎりぎりまで伊豆大島のかたがたと楽しんだ。

 スタッフの面々はそんなさだをこう語る。

「約束したことは必ず守る。だから、なんとかして時間を作って出かける。いろいろ制約があるなか、みなさん協力してくださり、スタッフたちはみんな手弁当で出掛けます」(さだの事務所『まさき』の早野秀之さん)

「東北の気仙沼に毎年一緒に行かせていただいていますが、最初に行ったときさださんは、“10年来ます!”と宣言したんです。驚く私に“こんな時こそ人のために働けと神様に言われてるような気がする。さだまさしを有名にしてくれたのは、きっとそういうことなんだよ”と言っていました」(藤村さん)

 60才を過ぎても、心に染みる新曲はじめ、本、映画、ドラマが次々公開される。そんなアーティストは前代未聞だ。

※女性セブン2015年7月9・16日号

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト