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韓国メディア 反日固執の朴槿恵氏を厳しく批判し改心を促す

 死者・行方不明者300人以上の犠牲者を出した昨年4月の「セウォル号」事故以降、韓国民は朴槿恵大統領への不信感を募らせていった。その後の韓国メディアは朴政権の無策を批判しつつ、日本当局の危機管理能力の高さを評価し始めた。

『朝鮮日報』は、今年5月に発生したMERSの関連報道で、「日本の第一人者に聞く 日本ならどう対応したか」(6月5日)と題する特集を掲載。日本の医師2名を取材し、「日本では2年前にMERSを感染症指定しマニュアルを作成していた」ことや「韓国側のマニュアルに不備がある」ことを報じた。

 韓国当局者からも「日本から学べ」の声が出始めている。今年2月に来日した朴元淳・ソウル市長はソウル市と似た東京の下水施設を視察し、「韓国より20年ほど進んでいる東京の下水管理システムをモデルにし、道路陥没に対する予防と対応システムを用意する」(中央日報・2月3日)と語った。

 今年5月に来日した韓国経済副首相兼企画財政相の崔敬煥氏も「最近の日本は積極的な構造改革を行い、安倍首相が思い通りの政策を推進できるようになった」とアベノミクスを絶賛した。

 こうした一連の言動は、韓国の焦燥感を表している。安倍政権に敵意を剥き出しにしてきた朴政権と韓国メディアは、行き過ぎた反日で得るものが何一つないことにようやく気付き始めたのだ。

 対日、対米外交は行き詰まり、経済では日本に大きく水を開けられた。事故や災害、新種の感染症に何の対策も講じられない。そんな自国政府の不甲斐なさに韓国人は苛立ちと動揺を隠し切れずにいる。
 
 韓国紙は今年5月に入り、

「韓国の反日ポピュリズムが招いた自縄自縛」(朝鮮日報・5月9日)
「朴槿恵、金大中の親日に学べ」(中央日報・5月11日)

 との社説を相次いで掲載。反日に固執する朴槿恵大統領を厳しく批判し、「改心」を促した。

 6月22日の日韓国交50周年に合わせ来日した尹炳世・外相はNHKの取材に、「慰安婦問題で政府間決着が図られれば、韓国側から再び問題提起しない」ことを断言。歩み寄りのポーズをとったが、これを額面通りに受け取ることはできない。

 朴大統領は式典に寄せたメッセージで、「歴史問題という重荷を、和解と共生の心を持ち、下ろしていくことが大切」と述べた。これは、慰安婦問題を念頭に置いた牽制に他ならない。日韓国交50周年の節目の年、両国が助け合い未来に向けて歩んでいくのであれば、まずは朴大統領自身が歪曲された歴史観を捨てるべきだろう。

※SAPIO2015年8月号

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