国内

選挙車運転手からセクハラのウグイス嬢「もうやりたくない」

 東京都の市民団体「女性と人権全国ネットワーク」が、今年4月の統一地方選を機に「ウグイス嬢たちのセクハラ・パワハラレスキュー」と名づけた相談窓口を開設した。共同代表の佐藤香氏によれば4月から5月の半ばまでの1か月半に31件の深刻なセクハラ関連の事例が寄せられた。

 運動員・選対事務局員や候補者などから選挙カー内で下半身を触られた。怖くなって途中で降ろしてもらい、その日はタクシーで帰ったなどの事例があった。後援会・支持者からのセクハラ被害はより深刻だ。選挙運動を終えた夜の接待を強要された上、ホテルの部屋に押し入られそうになったなどの例もあったという。

 許しがたい所業の数々だが、これは氷山の一角。本誌が独自に取材すると、さらに深刻なセクハラ被害が浮かび上がってきた。

 今年4月の統一地方選の、熊本県議会選でのケース。33歳のウグイス嬢は候補者に言葉と手癖でセクハラを受けた。

「選挙カーの中でご飯を食べたりお茶を飲んだりするときはカーテンを閉めます。するといきなり候補者が豹変するんです。『てめぇは笑顔じゃなきゃクズ以下なんだ』とか『俺が落ちたらお前はサゲマンだっていいふらす』とか、それはもうひどかったです。

 でも、1日が終わると『お疲れさまぁ』といって私の肩を揉むんです。そのときにブラの肩ひもを見て『赤なんだ。派手だね』とか『今日はシルクだ』とか気持ち悪いこともいいます」

 この候補者は当選した。

「当選後の祝勝会では、私の膝の上に寝転がってくるから驚きました。後から周囲の人に聞いたところ、この先生は当選後のお祝いの場でのキス、胸揉み、抱きつきは当たり前だそうです。お祝いの場だからハッキリと拒否することもできませんでした」(同前)

 東北地方での選挙に駆り出された24歳のウグイス嬢は、選挙カーの運転手のターゲットとなった。

「40代の人なんですけど、連絡のために携帯番号を交換しました。そしたら『疲れた喉にいい鍋を食べに行こう』とか毎日のように誘われるようになったんです。みんな来るからと誘われて行ってみたら2人きりだったり。帰るわけにもいかないから食べ始めたんですけど、やたらと触りまくるんです。やめてといっても聞いてくれません」

 この女性は次の日から運転手と普通に接することができなくなった。

「ウグイス嬢の先輩に『雰囲気をぶち壊すな』って怒られてしまいました。選挙が終わっても頻繁に連絡が来るので適当に流していたんですけど、『俺に逆らうと仕事がなくなるぞ』みたいなことをいうようになったんです。もう二度とウグイス嬢はやりたくないです」(同前)

※週刊ポスト2015年7月10日号

関連キーワード

トピックス

高石あかりを撮り下ろし&インタビュー
『ばけばけ』ヒロイン・高石あかり・撮り下ろし&インタビュー 「2人がどう結ばれ、『うらめしい。けど、すばらしい日々』を歩いていくのか。最後まで見守っていただけたら嬉しいです!」
週刊ポスト
結婚を発表した趣里と母親の伊藤蘭
《趣里と三山凌輝の子供にも言及》「アカチャンホンポに行きました…」伊藤蘭がディナーショーで明かした母娘の現在「私たち夫婦もよりしっかり」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
《恐怖のマッサージルームと隠しカメラ》10代少女らが性的虐待にあった“悪魔の館”、寝室の天井に設置されていた小さなカメラ【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年、第27回参議委員議員選挙で使用した日本維新の会のポスター(時事通信フォト)
《本当に許せません》維新議員の”国保逃れ”疑惑で「日本維新の会」に広がる怒りの声「身を切る改革って自分たちの身じゃなかったってこと」
NEWSポストセブン
防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
《浜松・ガールズバー店員2人刺殺》「『お父さん、すみません』と泣いて土下座して…」被害者・竹内朋香さんの夫が振り返る“両手ナイフ男”の凶行からの壮絶な半年間
NEWSポストセブン
寮内の暴力事案は裁判沙汰に
《広陵高校暴力問題》いまだ校長、前監督からの謝罪はなく被害生徒の父は「同じような事件の再発」を危惧 第三者委の調査はこれからで学校側は「個別の質問には対応しない」と回答
NEWSポストセブン
ドジャース・山本由伸投手(TikTokより)
《好みのタイプは年上モデル》ドジャース・山本由伸の多忙なオフに…Nikiとの関係は終了も現在も続く“友人関係”
NEWSポストセブン
齋藤元彦・兵庫県知事と、名誉毀損罪で起訴された「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志被告(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志被告「相次ぐ刑事告訴」でもまだまだ“信奉者”がいるのはなぜ…? 「この世の闇を照らしてくれる」との声も
NEWSポストセブン
ライブ配信アプリ「ふわっち」のライバー・“最上あい”こと佐藤愛里さん(Xより)、高野健一容疑者の卒アル写真
《高田馬場・女性ライバー刺殺》「僕も殺されるんじゃないかと…」最上あいさんの元婚約者が死を乗り越え“山手線1周配信”…推し活で横行する「闇投げ銭」に警鐘
NEWSポストセブン
親子4人死亡の3日後、”5人目の遺体”が別のマンションで発見された
《中堅ゼネコン勤務の“27歳交際相手”は牛刀で刺殺》「赤い軽自動車で出かけていた」親子4人死亡事件の母親がみせていた“不可解な行動” 「長男と口元がそっくりの美人なお母さん」
NEWSポストセブン
トランプ大統領もエスプタイン元被告との過去に親交があった1人(民主党より)
《電マ、ナースセットなど用途不明のグッズの数々》数千枚の写真が公開…10代女性らが被害に遭った“悪魔の館”で発見された数々の物品【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン