国内

自民党執行部 党内やメディアに厳重な「言論戒厳令」を敷いた

 安保法制に対して大学生や高校生などから反対運動が起きていることに安倍政権は神経を尖らせている。6月には、自民党批判したアイドルグループ「制服向上委員会」の出演イベントへの後援を神奈川県大和市が急遽中止する騒ぎもあった。同市は安倍側近の甘利明・経済財政相の地盤だ。

 そして安倍首相は、高校生やアイドルまでが批判する安保法案を強行採決する方針を固めている。

「官邸から指示された強行採決の日取りは7月17日。これ以上、議員の失言で審議が遅れることは許されない」(自民党国対幹部)

 そこで自民党執行部は党内、メディアに厳重な“言論戒厳令”を敷いた。まず党内では首相と距離を置く「過去を学び『分厚い保守政治』を目指す若手議員の会」が予定していた安保法案反対論者の漫画家・小林よしのり氏の勉強会を「国会空転」を理由に中止させ、テレビ朝日の『朝まで生テレビ!』への与党議員の出席もドタキャンされた。

 情けないことに、自民党議員の大半は安保法案について半知半解で「討論番組でボロを出されると困る」(同前)という理由だ。自民党中堅議員が語る。

「地元で開いている安保法案説明の車座集会をテレビ取材させるつもりだった同僚議員も執行部から止められて断わった。集会では支持者から突き上げられているため、そんな映像が放送されては困るからだろう」

 説明を尽くすといいながら、党内に反対意見を許さず、国民の目と耳を塞いで強行突破しようとしている。

※週刊ポスト2015年7月17・24日号

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン