ベテチア国際映画祭で審査委員を務めたことも
塚本:自民党が政府与党となってから、秘密保護法案の成立や「原発ゼロ」の撤回、メディアへの過干渉や安保関連法案で強行採決で成立を目指すなど、強引さが目立つ。いくら政府が戦争をする国にならないと言っても、やっていることは完全に戦争をするための道筋をつくっていると感じました。
――『野火』は昨年のベネチア国際映画祭のコンペティション部門に選出されました。塚本監督は、世界三大映画祭ではベネチアのイメージが強いですよね。
塚本:実はカンヌ、ベルリンは行ったことがないんですよ。ベネチアばかりです。カンヌが呼んでくれないというのはあるんですけど(笑い)。ベルリンはタイミングが合わないんです。ベネチア国際映画祭には、ぼくを育ててくれた、という感謝があります。どちらに出してもいいならベネチアに出しています。これから機会があったら他の映画祭にも行きたいですね。
――国際映画祭には受賞傾向というものがあるんですか。
塚本:ぼくもそこはよくわかりませんが、その時のディレクターによって色は随分でると思いますね。少し前のマルコ・ミューラーさんは日本映画が大好きでした。日本映画がよく選ばれていましたよ。今はそうでもないようです。
――カンヌ国際映画祭のイメージは?
塚本:みなさん忙しそうで華やかで。セールスやらなにやらすごい勢いで歩き回って手厳しさもあって。つまらないとお客さんがどんどん劇場から出て行ってしまう。華やかでドキドキするような場所。行ったことがないから本当の所はどうなんだかわからないんですけど(笑い)。
それに対してベネチアはもうちょっと牧歌的というか。ぼくの印象ですけどね。アットホームな感じがするんです。よく行くからそうなのかもしれませんが。マーケットは小さいのでまったくカンヌとは違います。
――ベネチア国際映画祭で審査員をされた時はどんな感じだったんですか?