ビジネス

コンビニや牛丼店等で高齢者や外国人働き手増加の仕組み解説

 給料が上がっているというニュースが増えているが、喜んでいいことなのだろうか。経済学者で投資家の小幡績氏が、給料は上がったが、商品の値上がりのほうが大きいこと、労働と労働環境の変化について解説する。

 * * *
 今後給料が上がるか、これからの生活が楽になるのかは、私たちにとって最も関心があることですよね。

 データ上は賃金は上昇しています。厚生労働省が発表している毎月勤労統計調査で、今年5月には、「毎月1人当たり平均の現金給与総額は前年同月比0.6%増」となりました。増えた内訳を見ると、所定内給与(いわゆる基本給)が少し増え、特別給与(ボーナスなど)が大幅に増えた一方、残業手当などの所定外給与は減少している。

 難しいのは、このデータの意味です。上昇したことはいいことですが、まだほんのわずかです。1年間で0.6%ですから、実感としては「ほとんど増えていない」と言ってもよいでしょう。

 また、これは平均で、すべての人の賃金が上がっているわけではありません。内訳を見ると、ボーナスが大きく増えています。5月は通常のボーナス期でないことを考えると、一部の企業で前倒しでボーナスが配られたことを意味しています。つまり、一部の儲かっている企業のボーナスが大幅に増えただけで、その他の企業では特に増えていないことになります。

 5月にボーナスが配られたのは一部の企業ですが、6月、7月は多くの企業でボーナスが出ます。輸出の多い製造業や金融、不動産などを中心にかなりの増額が期待されますから、ボーナスが増えたという実感を持つ人々は増えるでしょう。一方で、ボーナスがそれほど増えない企業も多くあり、業界や企業によって、給料に対する実感も分かれるはずです。

 さらに、残業代が減っていることをどう考えるかです。これは実は良い面もあります。給料が増えていると言っても残業させられた分が増えているだけなら、長時間労働でむしろ不幸になっている可能性があるからです。

 ただし、残業が減るのが良いか悪いかは、解釈が異なるところです。

関連キーワード

トピックス

「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
3年間に合計約818万円のガソリン代を支出していた平口洋・法務大臣(写真/共同通信社)
高市内閣の法務大臣・平口洋氏が政治資金から3年間で“地球34周分のガソリン代”支出、平口事務所は「適正に処理しています」
週刊ポスト
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
《交際説のモデル・Nikiと歩く“地元の金髪センパイ”の正体》山本由伸「31億円豪邸」購入のサポートも…“470億円契約の男”を管理する「幼馴染マネージャー」とは
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン