常に新しい商品が投入され、新陳代謝を繰り返している『ランチパック』だが、1984年4月に誕生した時は、「ピーナッツ」「小倉」「ヨーグルト」「青りんご(ジャム)」の4種類だった。あくまでもおやつ感覚ということで、甘い味だけだったが、ユーザーから食事として食べたいとの要望があり、同年10月から惣菜系の販売もスタートする。
当時は、全国20か所ある工場で独自に開発製造されており、本社でまとめることもなかった。そういった状況だったため、パッケージもバラバラで、過去にどんな商品がいつ発売されていたかなどを、正確に把握できていないという。
数ある菓子パンのひとつに過ぎない存在だった『ランチパック』に転機が訪れたのは、2006年のこと。社内で、ランチパックをきちんとブランディングしようということになり、食パンのしっとり感アップなどの品質向上や具材のバラエティー化と共に、テレビCMを打つなどPRに力を入れ始めたのだ。すると、一気に知名度が上がり、出荷数も大幅にアップ。2005年は年間売上が140億円前後だったが、どんどん売上がのび、2012年頃からは年間売上400億円前後をキープしている。
2014年のデータによると、出荷数ベスト3は、1位「ピーナッツ」、2位「たまご」、3位「ツナマヨネーズ(オニオン入り)」。この3アイテムは不動のベスト3で、全体の約40%の出荷数を占めている。
入れ替わりの激しい『ランチパック』だが、定番商品の人気はかなりのもの。これらの人気があるからこそ、挑戦的な新商品の開発が実現できるのかもしれない。
(取材協力:山崎製パン マーケティング部・鈴木智さん)