普通なら義務的な仕事もできなくなっちゃうみたいなんだけど、お医者さん曰く僕は精神力が異常に強いらしい。だから、毎朝5000字の日記だけは書けてたんだけどね。あとはもう本当にバターンって寝ていた。

中川:たとえば骨折だったら、松葉杖をついていたり、ギプスをはめていたりするから、この人は大変なんだなってわかるんですけど、うつ病だとそれがわからないんですよね。そこを周りの人が理解しないで、「この人はグータラしているだけだ」って思われがちなんですよね。そのあたりはどうでしたか?

勝谷:「仮面うつ」っていうのがあるじゃん。要するに会社に行きたくないから「オレはうつだ」って言ってるっていう。アレはねえ、たしかあるのかなとは思ったよ。

中川:でも、勝谷さんは「真性うつ」ですよね。

勝谷:うん。だって体が動かないんだからね。あと、うつの間もラジオには出てたんだけど、スタッフが言うには完全に顔もおかしかったみたいだしね。(口をポカーンと開けて、頬を下に垂らしたような顔をして)「こんにちは~か~つや~まさ~ひこで~す~」みたいな。症状として明らかに顔が変だったんだよ。そんな状態で番組はよく使ってくれたよ。本当にありがとうございます。

 だからねえ、「真性うつ」っていうのは、それくらい体に症状が出るんだよね。だから「仮面うつ」とか「新型うつ」って呼んでしまうの、はちょっと可哀想だけど「真性うつ」とは違って、やっぱり気持ちの問題なのかなとは思っちゃうけどね。
 
 でもねえ、いまうつから快復してわかったんだけど、うつ病になる前は十代くらいのころから、躁病だったんじゃないかって思うんだよ。異常なことばっかり話したり、テレビに出てワーっと喋ったりすることは、普通の人がやることじゃないな、っていうことを思って反省したね。

 双極性障害(うつ状態と躁状態を繰り返す症状)っていうやつだよ。だから、うつから躁に戻る途中で、一瞬だけ真人間になった時期があったんだよ。

中川:それは人生の中で初めての真人間…?

勝谷:そう、初めてだと思うね。1週間か2週間くらいだったけど、「ああ、これが真人間なのか」って思った。で、いまはもう躁病なんだと思うけど、躁病のほうが素敵だね。こっちがノーマル状態だよ。

 * * *
 ある日突然うつ病が発症した勝谷誠彦氏。配信中の動画では、「うつと死」についても語っている。うつになった勝谷氏は、死への衝動とどう戦ったのか? ニコニコチャンネル「NEWSポストセブちゃんねる」で公開されている動画「勝谷誠彦×中川淳一郎ヘロヘロ対談番外編 うつーからの帰還 完全編集版第2回」では、そのすべてが語られる。

撮影協力■市ヶ谷「なる川」

関連キーワード

トピックス

伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン