ビジネス

かっぱ寿司 回らない新型店舗「鮨ノ場」で都市部進出の勝算

かっぱ寿司の新業態「鮨ノ場」1号店(東京・青山)

 少子高齢化や円安による原材料高、人件費の高騰など、さまざまな要因から苦戦を強いられる外食企業が多い中、根強い人気で右肩上がりの成長を続けているのが「回転寿司」業界だ。

 回転寿司の市場規模は、2014年は前年比104.7%の5593億円。2015年も5777億円を見込む(富士経済調べ)。業界関係者によれば、そのうち約7割の売上高を「スシロー」(あきんどスシロー)、「くら寿司」(くらコーポレーション)、「はま寿司」(はま寿司)、「かっぱ寿司」(カッパ・クリエイトホールディングス)の上位4社が占めているという。

 だが、4社揃って絶好調というわけではない。長らく“独り負け”状態でもがいていたのが、かっぱ寿司だ。

「かっぱは回転寿司業界の中でもいち早く100円均一を掲げ、郊外やロードサイド店で多くのファミリー層を掴んできたが、過度な出店拡大が裏目に出て2009年から既存店売り上げが落ち始めた。

 店舗運営の効率化を図るために進めたネタの工場加工が、逆に鮮度を落とす結果になったり、従業員教育が行き届かなくなったりと、気が付けば『安かろう、悪かろう』のイメージが定着してしまった」(飲食業界紙記者)

 2013年には業界5位の「元気寿司」との経営統合をにらんで業務提携をしたが、あえなく破談。結局、2014年に「甘太郎」(居酒屋)や「ステーキ宮」、「カルビ大将」(焼肉)など数多くの飲食店を展開するコロワイドグループの傘下に入ることになった。

 以降、〈かっぱの改新〉というテレビCMで流したキャッチコピー通り、大幅な経営見直しをしながら、新しいチェーンの立ち上げも画策。そして、いよいよ復活の切り札に据える新業態「鮨ノ場」を9月18日にオープンさせる。

「米、酢、海苔、ネタとすべての基礎食材を替え、新鮮で握りたての美味しい寿司を食べていただける店ができた」

 報道関係者に事前お披露目された店内で、カッパHD副社長の山下昌三副社長はこう自信をのぞかせた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

双子の男の子の母となった中川翔子。出産前日のインスタグラム@shoko55mmts より。
【祝・速報!】中川翔子が双子の男の子を出産、多くの苦難を乗り越えてミラクル誕生
NEWSポストセブン
「ゼロ日」で59歳の男性と再婚したという坂口
《お相手は59歳会社員》坂口杏里、再婚は「ゼロ日」で…「ガルバの客として来てくれた」「専業主婦になりました」本人が語った「子供が欲しい」の真意
NEWSポストセブン
愛されキャラクターだった橋本被告
《初公判にロン毛で出廷》元プロ棋士“ハッシー”がクワで元妻と義父に襲いかかった理由、弁護側は「心神喪失」可能性を主張
NEWSポストセブン
水谷豊
《初孫誕生の水谷豊》趣里を支え続ける背景に“前妻との過去”「やってしまったことをつべこべ言うなど…」妻・伊藤蘭との愛貫き約40年
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年9月28日、撮影/JMPA)
「琵琶湖ブルーのお召し物が素敵」天皇皇后両陛下のリンクコーデに集まる称賛の声 雅子さまはアイテム選びで華やかさを調節するテク
NEWSポストセブン
世界選手権でもロゴは削除中だった
《パワハラ・セクハラ問題》ポーラが新体操日本代表オフィシャルスポンサーの契約を解除、協会新体操部門前トップが悔恨「真摯に受け止めるべきだと感じた」
週刊ポスト
辞職勧告決議が可決された瀬野憲一・市長(写真/共同通信社)
守口市・瀬野憲一市長の“パワハラ人事問題”を市職員が実名告発 補助金疑惑を追及した市役所幹部が突然の異動で「明らかな報復人事」と危機感あらわ
週刊ポスト
新井被告は名誉毀損について無罪を主張。一方、虚偽告訴については公訴事実を全て認めた
《草津町・元町議の女性に有罪判決》「肉体関係を持った」と言われて…草津町長が独占インタビューに語っていた“虚偽の性被害告発”
NEWSポストセブン
田久保真紀市長が目論む「逆転戦略」は通用するのか(時事通信フォト)
《続く大混乱》不信任決議で市議会を解散した伊東市の田久保真紀市長 支援者が明かす逆転戦略「告発した市議などを虚偽告発等罪で逆に訴える」
週刊ポスト
祭りに参加した真矢と妻の石黒彩
《夫にピッタリ寄り添う元モー娘。の石黒彩》“スマホの顔認証も難しい”脳腫瘍の「LUNA SEA」真矢と「祭り」で見せた夫婦愛、実兄が激白「彩ちゃんからは家族写真が…」
NEWSポストセブン
群馬県前橋市の小川晶市長(42)が部下とラブホテルに訪れていることがわかった(左/共同通信)
《目撃者が明かす一部始終》「後ろめたいことがある人の行動に見えた」前橋・女性市長の“ラブホ通い詰め”目撃談、市議会は「辞職勧告」「続投へのエール」で分断も
NEWSポストセブン
本誌記者の直撃に答える田中甲・市長
【ダミー出馬疑惑】田中甲・市川市長、選挙でライバル女性候補潰しのために“ダミー”の対立女性候補を“レンタル”で擁立した疑惑浮上 当の女性は「頼まれて出馬したのか」に「イエス」と回答
週刊ポスト