芸能

NHK『まれ』を見て「失敗とおっぱいの共通点」を考えてみた

 NHKの朝の連続ドラマ小説『まれ』が、9月末に最終回を迎える。ネットでは不評が目立つこのドラマ、大人力コラムニストの石原壮一郎氏は「『まれ』には重要なキーワードが含まれていると説く。

 * * *
 あと一週間で、とっ散らかった話をどう収束させるのでしょうか。NHK朝ドラ『まれ』が、9月26日の放送分で半年間のフィニッシュを迎えます。おもに石川県の能登を舞台に、土屋太鳳演じる元気で単純な主人公の津村希(つむらまれ)が、世界一のパティシエを目指して奮闘するお話。夢に向かって頑張る大切さや家族の絆の素晴らしさなどが、大胆なストーリー展開や意表を突く演出を通して描かれています。

 残念ながら、前作の『マッサン』やその前の『花子とアン』に比べて視聴率はやや苦戦しているし、ネット上での評判もけっしていいとは言えません。まあ、好みは人それぞれでしょうけど、個人的にはヒロインの母親を演じる常盤貴子の色っぽさと祖母的な役割の田中裕子の円熟味たっぷりの名演にウットリしながら見続けています。

 そんな『まれ』で、数週間前から重要なキーワードになっているのが「失敗、おっぱい」という言葉。ヒロインのまれが自分の幼い子どもたちに「失敗を恐れることはない」と伝えつつ、自分自身もそのことに気づくという流れで、子どもたちが家の中を駆け回りながら「失敗、おっぱい」と連呼します。子どもの言うこととはいえ、NHKで朝っぱらから「おっぱい」が連呼される光景は、なかなかシュールでした。

 失敗とおっぱいは、たしかに両方とも、大人にとってひじょうに大切です。大切なものと大切なものが結びつけば、そこに極めて大切な真理が浮かび上がってくるはず。『まれ』のフィニッシュに花を添える意味も込めつつ、失敗とおっぱいの共通点から大人の教訓を得てしまいましょう。

 僭越ながら考えてみました。「失敗とおっぱいの5つの共通点」です。

1.無遠慮につつかれたくないし、いじられたくもない

2.いろんなタイプがあり、それぞれ望ましい扱い方が違う

3.自分からわざわざ披露するのは、あまり趣味がよくない

4.他人のそれについて熱心に論評すると、人格を疑われる

5.本人が思っているほど、他人はそれを気にしていない

 ああ、やっぱり失敗とおっぱいは、大人の真理を教えてくれています。1の共通点から学びたいのは、他人に対する敬意を忘れないことや適切な距離を保つ大切さ。2からは、人間関係には決まったマニュアルはないんだということに気づくことができます。目先のウケを狙って3のようなことをやってしまうこともままありますが、それはけっしてホメられた行為ではありません。

関連記事

トピックス

東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
渡邊渚さんが綴る「PTSDになった後に気づいたワーク・ライフ・バランスの大切さ」「トップの人間が価値観を他者に押しつけないで…」
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
ルーヴル美術館での世紀の強奪事件は瞬く間に世界を駆け巡った(Facebook、HPより)
《顔を隠した窃盗団4人組》ルーブル美術館から総額155億円を盗んだ“緊迫の4分間”と路上に転がっていた“1354個のダイヤ輝く王冠”、地元紙は「アルセーヌ・ルパンに触発されたのだろう」
NEWSポストセブン
活動休止状態が続いている米倉涼子
《自己肯定感が低いタイプ》米倉涼子、周囲が案じていた“イメージと異なる素顔”…「自分を追い込みすぎてしまう」
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
“ムッシュ”こと坂井宏行さんにインタビュー(時事通信フォト)
《僕が店を辞めたいわけじゃない》『料理の鉄人』フレンチの坂井宏行が明かした人気レストラン「ラ・ロシェル南青山」の閉店理由、12月末に26年の歴史に幕
NEWSポストセブン
森下千里衆院議員(共同通信社)
《四つん這いで腰を反らす女豹ポーズに定評》元グラドル・森下千里氏「政治家になりたいなんて聞いたことがない」実親も驚いた大胆転身エピソード【初の政務三役就任】
NEWSポストセブン
ナイフで切りつけられて亡くなったウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(Instagramより)
《19年ぶりに“死刑復活”の兆し》「突然ナイフを取り出し、背後から喉元を複数回刺した」米・戦火から逃れたウクライナ女性(23)刺殺事件、トランプ大統領が極刑求める
NEWSポストセブン
『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン