スポーツ

角居勝彦調教師 アヴェンチュラ勝利述懐し秋華賞の傾向考察

 競馬はいよいよ秋のGIシーズン。ウォッカ、カネヒキリ、ヴィクトワールピサなど数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」より、3歳3冠の最終戦のひとつ秋華賞について考える。

 * * *
 トレセン特有の藁の匂いに金木犀の香りが交じると、ワクワクして背筋が伸びてきます。

 私はよく冗談で、「人も馬も、春はぼおっとして、夏は暑くて仕事にならず、秋になるとようやく心身がパリっとする」などと言いますが、人間のほうはともかく、馬は秋にガラリと変わります。

 春にまずまず走った3歳の若駒が、ぐっと成長する。能力を持った馬、早熟な馬ほど顕著です。馬の能力に、成長のタイミングがかみ合わさってくる。その成長過程を感じることが、調教師としての最大の楽しみです。

 日本の競馬の流れとして、3歳馬は牝馬が桜花賞、牡馬は皐月賞からというイメージがあります。ただ春はケガなどのリスクを抱えながら走るケースも多く、あまり無理しないほうがいい。調教師としてベストは尽くしますが、基本的にはでき上がるのを「待つ」姿勢です。

 1か月半から2か月に3回走らせて放牧に出す、これが無理のない使い方ですね。もっとコンスタントに走らせろという声もありますが、競馬では馬に相当に負荷がかかるので、特に春の無理強いは禁物です。

 最初の競馬で、体調とメンタル面での問題点が見えてきます。それを2走目に調整していく。このとき、まだまだ心身の状態が噛み合っていないことが多い。さらに問題点を調整して、3回目の競馬でピタリと合う場合もある。まだまだというケースもあります。馬によってそれぞれです。

 夏場に走るのは、春に無理をしていない馬。春の競馬での疲労を一度リフレッシュした馬が走ります。疲れたら休ませる。しっかりと休ませることが大事。春から夏は、馬が少しずつ成長していくわけです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

バラエティー番組『孝太郎&ちさ子 プラチナファミリー 華麗なる一家をのぞき見』
コシノ三姉妹や石原4兄弟にも密着…テレ朝『プラチナファミリー』人気背景を山田美保子さんが分析「マダム世代の大好物をワンプレートにしたかのよう」
女性セブン
“アンチ”岩田さんが語る「大谷選手の最大の魅力」とは(Xより)
《“大谷翔平アンチ”が振り返る今シーズン》「日本人投手には贔屓しろよ!と…」“HR数×1kmマラソン”岩田ゆうたさん、合計2113km走覇で決断した「とんでもない新ルール」
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン