投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の10月26日~10月30日の動きを振り返りつつ、11月2日~11月6日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇。日米決算発表が本格化する中、米ハイテク企業の好決算が好感される流れから、19000円を回復して始まった。その後は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとのムードのほか、中国では第18期中央委員会第5回全体会議(5中全会)の行方、日銀の金融政策決定会合等を控え、こう着感の強い相場展開となった。FOMCでは、政策金利が据え置かれ、12月の利上げを検討するとの表現が加わった。
FOMC後いったん急落をみせたが、その後の上昇によって12月利上げは織り込まれた格好。週末の日銀の金融政策決定会合は、追加緩和を見送り、現状の緩和策の維持を決めた。一時売り仕掛け的な動きもみられたが、年内の追加緩和期待が依然として強いほか、政府が2015年度補正予算案を総額で3兆円を超える規模にする方向で調整に入ったとの報道により、上昇に転じていた。
本格化する決算については、ファナック<6954>などが強い値動きをみせた。また、コンセンサスの範囲ながらも、これがアク抜けにつながる流れもみられている。海外では米アップルの決算がポジティブ視される局面も。一方で、任天堂<7974>のスマートフォン向けゲームのリリース先送りにより、同社のほか、提携するディーエヌエー<2432>が急落するなど、ハシゴを外される動きもあり、決算発表、その後の説明会等を通過するまでは、積極的には動きづらい状況であった。
今週も決算発表は多く、トヨタ自<7203>、ホンダ<7267>、ソフトバンクグループ<9984>など主力処の発表が続く。決算発表企業に対してピンポイントで資金が集中しやすいほか、決算で明暗が分かれており、イレギュラー的な価格形成になりやすいだろう。短期的にはトレンド追随となり、その後はイレギュラー価格の修正を狙った中期スタンスになる。決算が一巡し、市場環境も政策期待などでの先高期待が強まるようだと、修正リバウンドが強まる可能性もある。