そうした複雑な県民感情があってか、鹿児島の飲食店での黒霧島の“シェア”は低い。鹿児島市内にあるスナックの30代ママはいう。

「店には黒霧島も置いていますけど、飲む方は圧倒的に少ないです。年配の方は白波、若い人は黒伊佐錦や三岳を好みますね。どれも鹿児島産の焼酎です。カラオケを歌うとなれば真っ先に(鹿児島出身の)長渕剛ですし、皆さん地元愛にあふれてますよ」

 事態をさらにややこしくするのが、「霧島」というブランド名だ。由来となった霧島山は鹿児島と宮崎にまたがる火山群だが、宮崎側に霧島の名を冠した市町村がないのに対し、鹿児島では2005年の市町村合併で「霧島市」が誕生している。

「霧島といえば鹿児島」というイメージが強い上に、霧島酒造が本社を置く都城市は鹿児島との県境に近く、方言も宮崎市より鹿児島市のものに似ている。 摩藩主の島津家発祥の地とされる“鹿児島文化圏”だ。前出の霧島酒造の担当者も戸惑いを隠さない。

「鹿児島を抜いて宮崎が出荷量で1位となったといっても、県同士で競うためにやっているわけではありませんから……。都城はもともと薩摩藩に属していて(明治時代に)一時期、鹿児島県でもあったのは事実ですし。原料のサツマイモは昔から大隅半島を中心に、鹿児島と宮崎から半々で調達しているんですがね」

※週刊ポスト2015年11月13日号

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