芸能

萩本欽一が高級車・高級時計への欲を捨てた青島幸男氏の一言

人生の恩師について語る萩本欽一

 どんな大物だろうと天才だろうと、人生の中では思い悩み苦しむことがあった。そんな時に光を照らし道を示してくれた恩師の思い出は、今も色鮮やかに心に刻まれている。コメディアンの萩本欽一氏(74)が、そんな恩師たちへ感謝の言葉を綴る。

 * * *
 僕には恩師、恩人と呼べる人がたくさんいるんです。僕の人生が変わる時には、必ず誰かの姿があった。

 人生を変えてくれた第一号はやっぱり(坂上)二郎さん。二郎さんがいなきゃコント55号は生まれなかったもの。ただ、仕事が終わると「じゃあね」とすぐに別れて、一緒に食事もしない関係だった。お互いの領域に踏み込まないと、結成間もなく約束していたからね。

 けど、亡くなる前に病室へ見舞って握手したら「楽しかったよ」といってくれたように感じた。その時、二郎さんっていい人なんだなと思ったし、僕も心から感謝した。最後に気づけてよかったと思いますよ。

 青島幸男さんは人生を変える言葉を下さった。あれはコント55号が猛烈に売れ始め、「ロレックスをつける」「高級車に乗って豪邸を建てる」という夢に向かって突っ走っている時でしたね。

 青島さんから「ピラミッドが1センチ高くなれば大騒ぎだが、欽ちゃんが20億円の家を建てても日本の教科書は変わんないよ」といわれたんです。これを聞いた時に、自分の進もうとする道が違うことに気付いた。

 それからは時計もしていないし、車も走ればいいという考えに変わりました。あの一言がなければ、僕はどこに向かったかわからない。

 作家の野坂昭如さんと雑誌で対談したときの一言も忘れられない。『欽ドン!』が『8時だョ!全員集合』の視聴率を抜いたので守りに入りたくなり、テレビ出演の本数を絞った時期だった。

「テレビでは何度も見ると嫌な人がいる。欽ちゃんはそうじゃないのに、どうして露出が少ないの」といわれたんです。目が覚めたね。あの言葉がなければ「視聴率100%男(※注)」といわれることもなかったと思います。

【※注/『欽ちゃんのドンとやってみよう!』(フジテレビ系)、『欽ちゃんのどこまでやるの!』(テレビ朝日系)、『欽ちゃんの週刊欽曜日』(TBS系)のレギュラー番組3本が視聴率30%を超え、合計が100%になったためそう呼ばれた】

関連記事

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
高市早苗総理の”台湾有事発言”をめぐり、日中関係が冷え込んでいる(時事通信フォト)
【中国人観光客減少への本音】「高市さんはもう少し言い方を考えて」vs.「正直このまま来なくていい」消えた訪日客に浅草の人々が賛否、着物レンタル業者は“売上2〜3割減”見込みも
NEWSポストセブン
全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン