冷静に分析すれば、IMF数値を額面通りに受け取ることはないが、韓国メディアは“わが意を得た”と、こうも書きたてるのだ。

〈18年の購買力平価基準の1人当たりGDPは韓国が4万1966ドル(512万円)で、4万1428ドル(505万円)の日本を追い越すと予測された〉(『中央日報』11月6日)

 返す刀で日本の“没落”を強調することも忘れない。

〈特に製造業で日本の衰退は目立つ。世界の製造業で両国が占める比重(名目付加価値基準)は、95年時点で日本20.7%、韓国2.4%だった。しかし日本の比重は急落し、12年には日本9.7%、韓国2.8%まで差は縮まった〉(『デイリー韓国』11月5日)

 実際にどちらの経済がジリ貧なのかは、各種経済指標を見れば一目瞭然だ。

 中国経済失速の影響を受け、韓国の輸出額は今年2月以降、8か月連続で減少。10月、韓国銀行が発表した2014年の韓国製造業の売上高は1726兆ウォン(約173兆円)と、前年を10兆ウォン以上も下回った。売上高が前年を下回る「製造業のマイナス成長」は統計を取り始めた1961年以降、この55年間で初めてだった。

※週刊ポスト2015年11月27日・12月4日号

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