ビジネス

ジュースのパッケージ 角が取れたのは紙の節約と輝きが目的

 業界紙、専門誌の知られざる世界をあなたに。今回は「わが国唯一の総合包装専門紙」を紹介します。

『包装タイムス』

創刊:1966年
刊行ペース:毎週月曜日発行
部数;5万6000部
読者層:容器包装資材製造、商社、医薬品、家電、食品などのメーカーほか
定価:年間購読2万5812円(送料込み)
購入方法:発行元・日報ビジネスへ直接申し込み

「包装のイメージは?」と聞かれ、間髪入れずに「包装紙!」と答えた記者に「ああ~」と脱力したのは『包装タイムス』紙の鈴木輝雄部長(57才)だ。

「包装とはパッケージの総称なんです。国内だけで6兆円産業といわれていて、お菓子の箱、牛乳パック、ペットボトル、カニや魚を運ぶための発泡スチロールの箱も、お刺身を載せているトレーも、それを被っているラップもそう。ハムなどを真空パックしている袋、インスタントラーメン、カップ麺の容器。それらをまとめて入れる段ボール箱。ビールであればアルミ缶、化粧品の容器、石油を入れるポリタンク…」

 私たちが普段、目にしているありとあらゆる物は包装されていると鈴木さんは言う。

 包装なしにはスーパーもコンビニも成り立たず、お豆腐を買うときに家から鍋を持って走ったのは、50年前のこと。

 包装の役割は、食品なら品質の保持。工業製品なら商品の保護。輸送にも包装は大きな役割を果たしていて、積荷をしやすくしたり、商品名や消費期限などを外側に印刷して中身の情報も伝えている。

 同紙はデザインで注目の包装メーカーを記事にしている。

〈このほど、果実用規格袋の新製品“イロヲビシリーズ”を発売した。鮮やかな色彩と統一感あるデザインで高級感を演出し、店頭陳列時に高いアイキャッチ効果を発揮。“2015日本パッケージコンテスト”で入賞するなど、早くも高い評価を得ている〉

 みずみずしい果物の写真のパッケージに、目が吸い寄せられそう。デザインといえば、昨今のスーパーやコンビニのお酒コーナーはやたらキラキラしている気がしないか。

「人は3秒その商品を見つめると手が伸びて買いたくなるという心理が働きます。最も効果的に人の目をとめるのがメタリックカラー。ある缶ビールはそれで爆発的にヒットしました」と鈴木さんは語る。

 飲料だけではない。スーパーやコンビニの照明を受けて商品がキラキラ輝くには、四角より多面体。果実ジュースのパッケージの角が取れたのはそのためだが、他にも理由がある。角の分、紙の原材料が節約されるからだ。そうした涙ぐましい努力の結晶が、スーパーの陳列台に並んでいる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

「父としての自覚」が芽生え始めた小室さん
「よろしかったらお名刺を…!」“1億円新居”ローン返済中の小室圭さん、晩餐会で精力的に振る舞った理由【眞子さんに見せるパパの背中】
NEWSポストセブン
関屋警部補を演じた原田大二郎(撮影/中庭愉生)
【放送50年特別インタビュー】原田大二郎が振り返る『Gメン\\\'75』の思い出、今だから話せる「関屋警部補が殉職した理由」 降板後も続いた丹波哲郎との良好な関係
週刊ポスト
多忙なスケジュールのブラジル公式訪問を終えられた佳子さま(時事通信フォト)
《体育会系の佳子さま》体調優れず予定取り止めも…ブラジル過酷日程を完遂した体力づくり「小中高とフィギュアスケート」「赤坂御用地でジョギング」
NEWSポストセブン
麻薬密売容疑でマグダレナ・サドロ被告(30)が逮捕された(「ラブ・アイランド」HPより)
ドバイ拠点・麻薬カルテルの美しすぎるブレイン“バービー”に有罪判決、総額103億円のコカイン密売事件「マトリックス作戦」の攻防《英国史上最大の麻薬事件》
NEWSポストセブン
東京都議選の開票を見守る自民党の木原誠二選対委員長(左)と井上信治・東京都連会長=22日夜、東京・永田町の同党本部(時事通信フォト)
《都議選で歴史的大敗》今や自民党は保守じゃない、参院選に向けてウリは2万円給付だけか 支持層から「時代について行けない集団」「消費期限切れ」「金払って党員になっても意味ない」の声
NEWSポストセブン
アナウンサーのオンカジ疑惑を早めに公表したフジテレビ(イメージ)
《オンカジの”儲からない”実態》逮捕されたフジテレビPは2400万円のマイナス、280億円賭けた「バカラのカリスマ」も数千万円のマイナス 勝てない前提のイカサマか
NEWSポストセブン
広島県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年6月、広島県。撮影/JMPA)
皇后雅子さま、広島ご訪問で見せたグレーのセットアップ 31年前の装いと共通する「祈りの品格」 
NEWSポストセブン
無期限の活動休止を発表した国分太一(50)。地元でもショックの声が──
《地元にも波紋》「デビュー前はそこの公園で不良仲間とよくだべってたよ」国分太一の知られざる “ヤンチャなTOKIO前夜” 同級生も落胆「アイツだけは不祥事起こさないと…」 【無期限活動停止を発表】
NEWSポストセブン
出廷した水原被告(右は妻とともに住んでいたニューポートビーチの自宅)
《水原一平がついに収監》最愛の妻・Aさんが姿を消した…「両親を亡くし、家族は一平さんだけ」刑務所行きの夫を待ち受ける「囚人同士の性的嫌がらせ」
NEWSポストセブン
TOKIOの国分太一(右/時事通信フォトより)
《あだ名はジャニーズの風紀委員》無期限活動休止・国分太一の“イジリ系素顔”「しっかりしている分、怒ると“ネチネチ系”で…」 “セクハラに該当”との情報も
NEWSポストセブン
夫・井上康生の不倫報道から2年(左・HPより)
《柔道・井上康生の黒帯バスローブ不倫報道から2年》妻・東原亜希の選択した沈黙の「返し技」、夫は国際柔道連盟の新理事に就任の大出世
NEWSポストセブン
新潟で農業を学ことを宣言したローラ
《現地徹底取材》本名「佐藤えり」公開のローラが始めたニッポンの農業への“本気度”「黒のショートパンツをはいて、すごくスタイルが良くて」目撃した女性が証言
NEWSポストセブン