芸能

大村崑 スターダムへのし上げてくれた2人の「天才」を語る

2人の恩師の思い出を語る大村崑

 人生には忘れることのできない存在が必ずいる。今の自分を作ってくれた恩師の姿は、温かな記憶とともに甦る。コメディアンの大村崑氏(84)が、二人の恩師について語る。

 * * *
 恩師と呼べる人は2人いますね。私を世に出してくれた大久保怜さんと、テレビ草創期に脚本家として活躍された花登筺(はなとこばこ)さんです。

 大久保さんは関西を中心に演芸や歌謡番組で活躍された名司会者。私は大久保さんの一番弟子として、歌謡ショーの司会を勉強させてもらいました。

 司会の仕事は面白かったのですが、反面ジレンマもありました。司会者は歌手より目立ってはいけない。私は大好きだった喜劇の役者になりたい思いが強くて、司会の勉強を5年させてもらった後、大久保さんの紹介で大阪・梅田の映画館「北野劇場」の専属コメディアンとして喜劇の舞台に立つことになりました。その翌年に、テレビ放送が始まりました。花登さんとのご縁はここからです。

 当時、ストリップ劇場の幕間コントの台本を書いていた花登さんが、芦屋雁之助や私たちを集めて『やりくりアパート』(大阪テレビ→朝日放送)の台本を書くことになった。ずれ落ちたロイド眼鏡をかけて出演した番組内のミゼット(三輪自動車)の生CMが大ヒット。私は一躍人気者になることができました。

 続く『番頭はんと丁稚どん』(毎日放送)での、ちょっとオツムの弱い“丁稚の崑松”役がまたまた大ヒット。今では放送コードに引っ掛かりそうなキャラですが、当時はそういった子供があちこちにいて、「アホいうもんがアホや」と逞しく生きていた時代でした。近所にこんな子供がいたと話をすると、それが次の回で登場していた。身近な話を台本にする天才でしたね。

関連キーワード

関連記事

トピックス

長男・泰介君の誕生日祝い
妻と子供3人を失った警察官・大間圭介さん「『純烈』さんに憧れて…」始めたギター弾き語り「後悔のないように生きたい」考え始めた家族の三回忌【能登半島地震から2年】
NEWSポストセブン
古谷敏氏(左)と藤岡弘、氏による二大ヒーロー夢の初対談
【二大ヒーロー夢の初対談】60周年ウルトラマン&55周年仮面ライダー、古谷敏と藤岡弘、が明かす秘話 「それぞれの生みの親が僕たちへ語りかけてくれた言葉が、ここまで導いてくれた」
週刊ポスト
小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン