国内

山口組分裂騒動 「5代目の命日」に墓地で最高幹部を直撃

 山口組分裂騒動はどう展開していくのか。騒動勃発後、山口組にとって“特別な日”にその現場に居合わせたフリーライターの鈴木智彦氏がレポートする。

 * * *
 12月1日早朝、新神戸駅を降りると真っ赤な朝焼けが広がっていた。15分ほど歩くと墓所に到着した。組員や幹部の姿はない。早すぎたのだろう。この日は五代目山口組・渡辺芳則組長の命日に当たる。故人の墓石は一般人のそれよりは立派だが、暴力団風の華美な豪華さはなく、ぱっと見ただけでは山口組トップのそれと分からない。
 
 六代目山口組にとっては当然だが、離脱派が立ち上げた神戸山口組にも、五代目の命日は特別な意味を持っている。神戸側のトップは山健組の井上邦雄組長であり、五代目は山健組出身だからである。神戸側はどうやら別の場所で法要をするらしい。墓所を訪れるのは例年通り六代目山口組側で、命日を巡ってのバッティングは回避された形だ。
 
 時間を潰して再訪すると、四方に戦闘服姿の組員が立っており、すでに山口組直参(二次団体組長)の慶弔委員が3人いた。周囲にはカメラを構えた兵庫県警が4、5人ほど待機しており、実話誌の取材陣は皆無だ。五代目の墓所で撮った写真を使うと、墓所の管理組合からクレームが付き、遺族に迷惑がかかるからだ。
 
 媒体を聞かれたので本誌(週刊ポスト)の名前を伝えた。
 
「ポストが来るのは珍しいな。売り上げ増を狙って便乗しようって魂胆か」
 
 苦笑いするしかない。しばらくして最高幹部がやってきた。
 
「この頃週刊誌(実話誌のこと)の書き方がめちゃくちゃやな。煽りすぎや。なに書いてもかめへんけど若い衆が心痛めるで。あいつら(神戸山口組)の考え方はな、もう辛抱して辛抱して辛抱してとうとう辛抱できへんようになって刀抜いた、責められて責められて責められて堪忍袋の緒が切れたといったふうに、日本人が好きな大石内蔵助みたいなムードを作ってる。実際はちゃうやんか。執行部だったんはあいつらやんか」

関連記事

トピックス

谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン