高須:でも、女性器はそうでもないでしょ。どれもこれも似たような描き方だったね。女性器はもっと個性があるんだよ。ビラビラが大きかったり、色が黒ずんでいたり、紫色っぽかったり、本当に個性豊かなの。でも、春画になるとどの女性器も同じような感じだもんな。まあでも、下絵があってそれを元に次々と描いているのかな。
──毎回モデルがいてデッサンをしているわけではないでしょうしね。
高須:そういう意味でも本当に大衆向けのものなんだよね。実は有名画家が匿名で描いていたっていう話もあるけど、伊藤若冲とか谷文晁とかが描いた春画はないのかな? もしあったら見てみたいなあ。
そういえば春画って、幕府のお偉いさんが詰め所なんかで交換しあって交流を深めていたんでしょ。社交場での贈り物というか。そう考えると、当時からそれなりに価値があったんだろうね。とはいっても、当時のお偉いさんはちょっと幼稚だな。今だったら中学生がエロ動画を交換することはあっても、国会議員はそんなことしないからね(笑い)。
──たしかに、今の時代では、春画みたいなものはなかなか成立しなさそうですね。ちなみに、院長の中での「猥褻かどうか」のラインってあるんですか?
高須:何が猥褻かのラインなんてないよ。僕はもう、猥褻なんて超越しちゃってる(笑い)。僕だったら全部許す(笑い)。やっぱりね、判断する警察だったり裁判官だったりが、猥褻なものに飢えているから、なんでもかんでも猥褻になっちゃうだけ。僕なんか、どんな卑猥な画像を見ても、ピクリともしないもん(笑い)。
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大人気の春画展だが、高須院長の心には刺さらなかったよう。それにしても、どんな卑猥なものにもピクリともしないという高須院長。まさに悟りの境地といったところでしょうか…。
【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。
昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)、『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)など。最新刊は『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)。