素早い対応でピンチを切り抜けたのがまるか食品である。危機管理コンサルティング会社「リスクヘッジ」の田中辰巳氏はこう話す。
「昨年末、主力商品のカップ焼きそば『ペヤング』にゴキブリが混入していたことが発覚。同社は即座に〈全品回収〉を宣言し、今年6月まで〈生産販売の中止〉を行なった。消費者に“そこまでやるか?”と思わせるほどの厳しい対応が信頼回復の下地を作った」
ペヤングは6月の販売再開後、わずか12日で中止前の売り上げ(月単位)をほぼ達成し、V字回復を果たした。
創業家の父と娘が演じた経営権を賭けたプロキシーファイト(委任状争奪戦)が注目を集めた大塚家具のケースはどうか。株主総会で、父・大塚勝久会長(当時)の経営手法を「古い」と斬り捨てた長女・大塚久美子氏が過半数の支持を得て勝利。創業者の勝久氏は会長職を退任した。
「4月から始めた“お詫びセール”では久美子氏自ら店頭に立ち、新宿ショールームに1日で1万人が訪れるなど盛況だった。トップが頭を下げる姿を国民が見飽きていた中、久美子氏の行動で示す“謝罪”は大胆で効果的だった」(危機対応コンサルタントの山見博康氏)
同社の今年の売上高予想(2015年12月期・通期決算)は568億円と前年同期より約13億円アップ。営業利益も前年の赤字から、今期は1億円超の黒字予想だ。
※週刊ポスト2015年12月25日号