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山本圭 勝新太郎は非常に繊細で、それでいて豪快な方でした

 舞台やドラマ、映画と活躍してきた役者・山本圭は、様々な監督や役者とも関わってきた。かつて共演した勝新太郎についての思い出を語った山本の言葉を、映画史・時代劇研究家の春日太一氏がつづった週刊ポスト連載『役者は言葉でできている』からお届けする。

 * * *
 山本圭は1970年代から1980年代初頭、今井正監督『小林多喜二』、山本薩夫監督『戦争と人間』『皇帝のいない八月』、あるいは『新幹線大爆破』『鬼龍院花子の生涯』などの娯楽大作で左翼活動家の役を演じてきた。

「そういう役が多いと言われますが、そうでもないですよ。ただ、『新幹線大爆破』での記者会見で『山本圭さんがなぜこの役なのでしょう』という質問に佐藤純彌監督は『だって、そのまんまですから』と答えていましたが。私は『そのまんまかなあ』と思いながら聞いていました。

『戦争と人間』の第三部でのノモンハンの戦闘シーンには私の出番はなかったのですが、ロケに自費でついていきました。薩夫監督からは『くっついてくるなら衣装を用意しといてもらえ』と言われ、ヴォルゴグラードでのロケに兵隊のエキストラで参加しました。

 大きい役をやっていながら、二十何役も出ました。機関銃を撃ったり、包帯を巻いて寝転がったり。薩夫監督は気が短いから、通訳を介して外国人のエキストラに指示を出すのが面倒だったようで、僕に『あそこでちょっと死んできてくれ』って頼むんです。

『小林多喜二』の時は拷問研究家という人がやって来て、逆さ吊りにされました。それで揺すられて、刑事役の人たちに木刀で叩かれる。少しでも躊躇があると、今井監督からダメが出ます。『吊るされていられる限度は三分』と言われていたので、降ろされては休んで。それでまた、叩かれる。それを六回やりました。最後は監督も私の傍にきて顔を見ずに『もういっぺんやってください』と言っていました。

 ああいう場面では、演じるといっても、やられるのをただ耐えている。それだけです」

 時代劇映画『人斬り』(1969年)『いのちぼうにふろう』(1971年)では勝新太郎と共演した。

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