国内

「送料ゼロ」が当然視される時代 宅配業者に重~いしわ寄せ

 ネット通販の普及で、宅配業者の需要が増えている。時間指定料どころか、今や「全品送料0円」の時代。誰もが「送料ゼロ」を当然だと思い、送料無料でも“商品価格に送料を上乗せしているのではないか”と指摘されることさえある。

 商品は安いままで、でも送料をとるのもNG。となると、削られるのはどこか?

 答えは、宅配業者に支払われる運賃だ。大手販売会社は、宅配業者に運賃割引を迫り、その結果、現場で働く配達員や運送を請け負う業者の賃金はどんどん下がる。それでも、誰もが当たり前と思っている「送料ゼロ」をやめることはできない。

 紗栄子(29才)との交際で話題の、大手ファッションサイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社スタートトゥデイの前澤友作社長の“失敗”が、それを露わにした。

 2011年、当時1万円以下の注文に送料がかかっていたことについて、“まじ詐欺やろ~”と利用者がTwitterでつぶやいたことに対し、前澤社長は、“ただで商品が届くと思うんじゃねぇよ。お前ん家まで汗水たらしてヤマトの宅配会社の人がわざわざ運んでくれてんだよ。お前みたいな感謝のない奴は二度と注文しなくていいわ”と同じくTwitterで反論した。

 すると、どうなったか。

“お客様に対してこんなことを言うのか”と批判が殺到し、株価が下がる事態にまで発展、前澤社長はすぐに陳謝。翌月から、送料は全品無料となった(その後、注文合計3000円未満の配送は有料に変更されている)。

 ZOZOTOWNに限らず、送料について消費者の目は厳しい。

 Amazonが2014年に、重量物の飲料品について「特別取扱商品」として取扱手数料の徴収を発表したところ、「他のほうが安いから、アマゾンで買うのはもうやめた」「通常送料以外に配送料がかかるってなんだよ」など、カスタマーレビューに批判が殺到した。

「送料が無料か有料か、どちらか選べるなら当然無料を選びます。なんで、好きこのんで有料を選ばないといけないんですか? 宅配便の人たちも大変だとは思うけど、無料にしなきゃ誰も利用しなくなりますよ」(40代会社員女性)

※女性セブン2016年1月1日号

関連記事

トピックス

世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
浅香さんの自宅から姿を消した内縁の夫・世志凡太氏
《長女が追悼コメント》「父と過ごした日々を誇りに…」老衰で死去の世志凡太さん(享年91)、同居するスリランカ人が自宅で発見
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト