国内

宅配業界に女性の雇用が増加中の背景 顧客にとって安心感も

 ネットショッピングが拡大し、ますます需要が高まっている宅配便。ヤマト運輸、佐川急便などに“潜入取材”し、その実態をまとめた『仁義なき宅配 ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾン』(小学館刊)の著者で、ジャーナリストの横田増生さんはこう語る。

「現在、ヤマト運輸の営業所は全国に6000か所、セールスドライバーは約8万人。佐川急便は営業所が約438か所、ドライバーは3万5000人弱います。重労働に加えてサービス残業もあり、就業環境は決して良いとはいえません。

 規定では朝8時出社でも、それから荷積みしたのでは午前便の配達に間に合わないので、1時間以上前に出社し、昼食もろくに取らず、最後の荷物を運び終えるのは午後9時半。帰宅は午後10時で、サービス残業は1日約3時間。それでも、大卒2年目の正社員が手取りで月20万円程度。そういう現場で働く人がいてこそのサービスです」(横田さん)

 2012年頃に大流行し、今でも女性たちに人気なのは“佐川男子”。青と白のボーダーポロシャツを着て、重い荷物を颯爽と運ぶ佐川急便のドライバーがイケメンだと一躍注目され、写真集も発売された。対してヤマト運輸の配達員は親しみを込めて、“クロネコ男子”と呼ばれる。

「朝は6時に出社、でも寝癖もひげのそり残しも許されません。社内規定には、シャツのボタンは第二ボタンまで閉める、襟は立てる、など細かい規定が設けられているんです」(35才・現役配達員)

 別会社で働く配達員(28才)も、必要なのは体力だけではないと漏らす。

「研修で徹底的に教え込まれたのは笑顔で挨拶することです。ただ運ぶだけでなく、第一印象が大事なので、声が枯れるまで、何度も声出しさせられました」

 そして、近年増加しているのは女性配達員たち。運転免許を持っていなくてもドライバーの横に乗せてもらったり、自転車に乗ったりして配達や集荷を行う。

「最近、集荷を頼むと、女性のかたが来られることが多いですよ。ひとり暮らしの娘の家に届け物をするときに家に取りに来てもらいますが、昼間は家に私ひとりなので、女性が担当だと威圧感がなくていいなと思います。あと、女性のほうが気配りが細かくて、安心感があるんです」(50代主婦)

関連キーワード

関連記事

トピックス

万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン