スポーツ

野村克也氏が若い監督揃う球界を危惧 重みある言葉言えるか

プロ野球の監督について語る野村克也氏

 2016年、日本プロ野球は3人の新人監督を迎える。高橋由伸(巨人)、金本知憲(阪神)、アレックス・ラミレス(横浜)の各監督だ。セ・リーグは全員が40代の監督となり、急速な世代交代が進んだことになるが、球界きっての智将・野村克也氏はこの状況をひどく憂慮している。今こそプロ野球の監督とは何かを野村氏に問うた。

 * * *
 はっきりいわせてもらう。日本の球界はいよいよ人材難の時代になった。監督の「器」を持つ後継者が育っていないことがよくわかる。三度目の就任となる梨田昌孝(楽天)はまだマシなほうとして、高橋? 金本? 球界の今後が心配で仕方がない。

 ここで改めて、プロ野球における「監督」について語っておきたいと思う。まず良い監督の条件とは何か。プロ野球は勝利至上主義、結果主義の世界だから、勝てる監督であることは言わずもがなだが、それを除けば一つしかない。信頼、信用されることだ。

「信」は万物の元をなす。選手がいかに監督を信頼、信用しているか。これがなければチーム作りなどできるわけがない。自分の会社に置き換えて考えてもらえばわかると思うが、トップに信頼がなければ仕事はうまく回らない。それと同じことだ。

 その信頼を得るのに重要なのが「言葉」である。リーダーは人の前できちんとモノが言える人物でないといけない。選手が聞いて感心し、納得するような言葉を持つ者こそが、選手から信頼・信用される良い監督なのだ。

 私は現役時代から「言葉」にこだわってきた。ヒーローインタビューやマスコミの取材は、自分をアピールするいいチャンスだと思って取り組んだ。

 球界も結局は、出身大学やその派閥がモノをいう学歴社会だ。田舎の高卒で、しかもテスト生で入った私が将来監督になれるなどとは思ってもいなかった。だから引退後は解説者としてなんとか球界に残りたいと思い、どの評論家にも負けないような解説をしようと思った。特に球界に携わる者なら誰でも見ている「日本シリーズ」のテレビ解説者として呼んでもらった時には、張り切ってやったものである。

 そうして一生懸命頑張っていればわかってくれる人がいる。こんな私の姿をある人が見てくれていた。

関連記事

トピックス

中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「山健組組長がヒットマンに」「ケーキ片手に発砲」「ラーメン店店主銃撃」公判がまったく進まない“重大事件の現在”《山口組分裂抗争終結後に残された謎》
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン