厚生労働省の指針で乳がん検診は、「40才以上の女性」を対象に「2年に1回」と定められている。その項目は「問診、視診、触診およびマンモグラフィー」で、多くの地方自治体はこれに従って2年に1回、40才以上の女性に検診の案内を配布しており、市区町村内の指定された病院や健康センターなどに行けば、無料で受けられる場合が多い。定期的に検診することの重要性について、濱岡ブレストクリニックの濱岡剛院長が言う。
「30才を過ぎたら1年に1回くらいの頻度で検診を受けることができるといいですね。乳房の乳がんの生存率は高く、10年で80%程度です。早期で見つかればそれだけ生存率は高くなります」
乳がん検診には、医師が目で見る視診、触れて確認する触診のほかに、マンモグラフィーと超音波検査の2種類がある。自治体検診では、マンモグラフィーか超音波か片方のみ受診の場合が多いが、いったいどちらを受ければいいのだろうか?
「年齢が若ければ、超音波のほうが発見率が高いといわれています。それは、若い人の乳腺の組織はボリュームがあるため、マンモグラフィーで1枚の板に挟んで撮影すると、小さな乳がんも乳腺もどちらも白く写り、見落とされてしまうことがあるからです。高齢になると、乳腺のボリュームが少なくなるので、マンモグラフィーでも発見可能となることが多いです」
それぞれ、メリットやデメリットがあるが、理想は「W受診」だ。
「ひとくちに乳がんといっても、しこりで発見されるタイプ、石灰化を伴うタイプなどさまざまあります。念のため、両方、もしくは1年に1回ずつ交互に受けるのが良いですね。どちらかを選ぶとすれば30代から50代は超音波中心に、40代以降はマンモグラフィー中心でもよいでしょう」(濱岡院長)