国内

2015年のネット ネット探偵活発化し表現への配慮重視された

東京五輪エンブレム騒動では「ネット探偵」が活発化

 今年も様々な出来事がネット上では発生した。毎年東京・阿佐ヶ谷のライブハウス、阿佐ヶ谷LOFT-Aでブロガー・投資家の山本一郎氏と「ネットニュースMVP祭」を2010年から行っているネットニュース編集者の中川淳一郎氏は今年がどんなネットの年だったと考えているのか。中川氏が振り返った。

 * * *
 2011年以降、ネットは何らかの「○○の年」といった特徴がよく見られましたが、今年は「コレ」というのはありませんでした。もちろん「○○の年」という解釈は個々人によって異なりますが、私の場合はニュースにした場合にアクセスが稼げるものや、SNSやブログ、2ちゃんねる等で頻繁に取り上げられた話題をその根拠にしています。

 2011年はなんといっても「SNS発の運動の活発化」といえましょう。2010年にチュニジアの「ジャスミン革命」に端を発した「アラブの春」の流れで、人々がSNSで何らかのリアルに繋げるアクションを積極的に行った年でした。東日本大震災の時は募金を呼びかけたり、節電を呼びかけるなどする人が多数出て、実際の行動が生まれた例も多数ありました。

 あとは、韓国関連のコンテンツを多数流すとされ、フジテレビに対するデモや紅白歌合戦に3組の韓国の歌手が出演することに怒った人々がNHKに対する「韓流紅白粉砕デモ」をネットで呼びかけるなど、ネットで意見を述べるだけでなく、実際に行動する人が多い年でした。

 2012年はペニーオークションをめぐるステマ騒動などで芸能人が続々と自粛に追い込まれたり、年初の「スカスカおせち騒動」など、芸能人や企業の人々がネットを通じて炎上し謝罪する騒動が多かった印象があります。

 そして2013年は「バカッター」や「バイトテロ」に代表される「一般人の逆襲」です。スマホの爆発的普及に伴い、SNSが内輪向けだと誤解している無防備な若者がバイト先の冷蔵庫に入ったり、回転寿司の醤油さしを鼻の穴に突っ込む写真を公開するなどし、炎上案件が多発しました。

 退学に追い込まれたり、解雇されたり、勤務先が潰れたり、FC契約を解除されるなどバカ写真1枚で転落してしまう人が続出したのです。夏休み期間に特に多かったので、ヒマだったんでしょうね。バカがヒマを持ち、情報発信ツールを持つと人生ロクなことにならないことの典型例です。

 2014年は、メディアが報じる「ある程度立場のある特徴的な方々」や「ネットで盛り上がりがちなニュース」が続出しました。代表的なのが小保方晴子氏、佐村河内守氏、野々村竜太郎氏でしょう。「なんでこんなにネットの人々が楽しむネタを投下し続けるの?」と完全に彼らが「おもちゃ」にされた年でした。

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