国内

日本共産党OB 18歳前後の女性に安倍嫌いが多い理由語る

元共産党参院議員の筆坂秀世氏

 衆参ダブル選から野党連合まで、参院選に向けて永田町がせわしなくなってきた。この混迷の行方を読み解くには、温故知新に頼るしかない。政界OBの“老人党三役”のお出ましである。村上正邦(83歳・元自民党参院議員)、平野貞夫(80歳・元民主党参院議員)、筆坂秀世(67歳・元共産党参院議員)の3氏が語り合った。

──安倍政権が衆参ダブル選に打って出るという予測が出ています。

村上:私は、可能性はゼロじゃないと思うね。それに、年初からイラン・サウジの国交断絶や北朝鮮の“水爆”実験など、世界はまさに歴史的大転換期を迎えている。我が国の正念場だよ今年は。

平野:私もダブルはあり得ると思う。

村上:だけど、やったら負けると思うな、自民党は。

平野:ええ、負けますね。

筆坂:あんまり嵩にかかったようなことをやったら、僕は裏目に出ると思う。それは傲慢や横暴と映るしね。

平野:一昨年の総選挙の票から分析すると、野党共闘で共産党が今までしなかった候補者調整をしたら、自公は議席を減らすでしょう。

村上:田中角栄さんもそうだったけど、選挙改革をやったときの自民党は、我田引水で自分たちが有利になると思って、選挙もやるんだけど、そういうときはだいたい裏目に出ている。18歳選挙権がそうですよ。

筆坂:たしかに、いまの女子高生、18歳くらいの若い女の子たちって、安倍嫌いがすごいらしいの。なぜかというと、恋人が戦争に連れて行かれるからだって(笑い)。やっぱり、SEALDsの主張に感化されているんだ。

平野:それと、いまの若い子たちには共産党に対するアレルギーがない。

筆坂:そうそう。だって、生まれたときにはもう、ソ連なんかなかったんだから。

村上:だけど、安倍さんは低所得の高齢者に一律3万円給付するというでしょう。これは明らかに選挙対策ですよ、3万円で老人の票を買っているんだよ。

平野:まあ、もらった人は悪い気はしない(笑い)。

村上:みんな喜ぶんだよ。経済優先の安倍政権がそういう社会にしちゃったんだ。

筆坂:僕は、軽減税率も3万円特別給付も、どっちも反対だね。特別給付なんて面倒なことをするなら、消費税を一律7%に下げりゃいいじゃないか。

平野:この特別給付には重大な問題がありましてね。年金収入が155万円以下の高齢者1250万人に配るっていうでしょう。ところが、地方に行くと年金はもらってないけど大金持ちって人がいっぱいいるんです。公共事業とかショッピングセンターの建設とかで、田んぼや畑を売って金持ちになった人が大勢いる。金持ちにもばらまくわけで、こんな不公平はない。

村上:野党が国会で追及すればいいんだよ。

※週刊ポスト2016年1月29日号

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト