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中学受験の難易度と生徒の身長にまつわる俗説について

 骨の成長を促して身長を伸ばすのに欠かせない「成長ホルモン」があり、その「成長ホルモン」は夜眠っている間に多く分泌される、という話を前提に、議論をしている掲示板もあった。こんなふうにである。

〈たっぷり寝る子の方が、毎日、3時間以上塾で座っていて、深夜まで勉強をしてきた子より背が高いに決まっています。うちの三男は6年生の夏まで、学校から帰ると週に5日はサッカーチームで夕方暗くなるまで運動をし、夕食をたらふく食べては寝たいだけ寝ていました。遅まきながら受験勉強を始めてからも、夜9時台には寝ていました。結果、みなさんの言う中堅校の私立中学に通っていますが、背はとっくに私を抜かしています〉

〈中堅ママさんのお話、複雑な思いになりました。うちの子は逆……。運動より勉強の方が得意だったというのは本当ですが、それを親が煽ったのも事実。運よく、御三家の一つに合格し、現在通っています。でも、おチビです。学校には、やはりおチビなお友達が多い気がします。小学校4年のときに、文化祭で下見をして、実は感じていました。 みんな小さいな、って。でも、気にしないようにして、受験が本格化してからは忘れていました。忘れたことにしていたのかもしれません……〉

〈口を挟ませていただきます。おチビさんで何が悪いのでしょうか。今、背が低くて、それがもし勉強で睡眠不足が続いていたせいだとしても、だからなんですか。これはエビデンスがあると思いますが、身長はかなりのほど遺伝によります。本来、背が高くなるはずの遺伝子を持った子も、背が伸びるはずの時期にその成長が阻害されると、もう伸びないのか。そんなの一時止まっていただけ。見てごらんなさい。伸びる子はこれからぐいぐい伸びますから。伸びしろがあるってことですよ!〉

 低身長問題の議論の跡は、掲示板やQ&Aサイトなどの方々で見つかる。ほぼ毎年、同じように母親たちが心配している。「伸びしろ」説はなるほどで、確かに我家の近くの私立難関校も中学生は小さめだが、高校生はごく普通だ。東大生の平均身長が20歳の日本人の平均身長より少し高いとの報告もあり、「一時止まっていただけ」に私も同意する。が、科学的根拠はない。

 そもそも小学生の受験学力と身長との反比例な相関関係について、誰もまだ研究していないらしいことが疑問だ。学者は何をやっているのだ。研究目的なら、各中学校の新入生の身体測定結果を集められるだろう。早く入試難易度別にチェックしてほしい。このコラムがデマとならないためにもだ。

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