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「マイルドヤンキー」が一つの家族の将来像と京大名誉教授指摘

経済成長の呪縛から逃れられないでいる Natsuki Sakai/AFLO

 アベノミクスの大号令は聞こえてきても、経済好転の実感はなし。この状況に対し「日本人には発想の転換が必要」と佐伯啓思・京都大学名誉教授は指摘する。そのカギとなるのが「マイルドヤンキー」だという。
 
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 高齢化と人口減が進む日本では、今からでも価値観を転換し、経済中心の競争社会から共生社会への転換を図るべきだ。「貧しい者と富める者」が、「地方と都市」が、「若者と老人」が譲歩しあって、共に生きる社会を目指すべきである。10年、20年先の社会像を描き、今の社会を緩やかに変えていき、着地させる必要がある。

 そのための方策を3つ挙げる。第一に、地方の中核都市のコンパクトシティ化だ。

 人口20万人から40万人程度の地方都市に公共投資して、高齢化しても暮らせるシステムを整備する。働く人は徒歩や自転車で職場に通え、高齢者は公共交通機関を利用して病院にも買い物にも行けるような環境を整備する。無駄を省きながら、快適に暮らせるコミュニティを作り出す。

 第二には、日本列島は災害が頻発する時代に入り、また、予測不能なリスクが襲いかかるようになった。ソフトも含め、防災が重要な課題になる。テロや巨大地震などの緊急事態に対処する措置を早急に整える必要がある。

 第三には、基本はやはり人づくりにある。教育が大事だ。アメリカや中国のように、ごく一部のエリートに集中投資する教育制度は、グローバル経済で活躍する人材を育てるためのもので、これからの日本には馴染まない。全体を底上げして、しごく普通の者が、道徳心も社会性も持つ、つまり、平均値を上げる教育が共生社会には必要と言える。

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