「歌舞伎の世界では“舞台は夫の職場、会場のロビーや客席は妻の仕事場”といわれています。夫が舞台に立つとき、ロビーや客席に出向いてご贔屓筋に挨拶するのが妻の役目。このとき、ご贔屓筋の奥さまがたや、序列が上の役者の奥さんより華やかで高価な着物で目立ってはいけません。
かといって、あまりに地味な安物の着物では“本物じゃないわ”と陰口をたたかれる。微妙なさじ加減が求められるんです。それに、紀香さんに関しては交際当初の失敗を、今でもうるさく言う人たちが結構いるんですよ」(前出・ある梨園の妻)
愛之助の交際宣言直後、こんな出来事があった。
「愛之助さんの舞台に紀香さんがピンクの胡蝶蘭を贈ったんです。それは楽屋に置くような小さなものではなく、ロビーにでかでかと紀香さんの名前をそえて飾られていた。愛之助さんには“愛之助おばちゃん”と呼ばれる、愛之助さんと疑似恋愛をしている熱狂的なファンが多くいるんです。その人たちは、愛之助さんが得意とする演目『鯉つかみ』で着る衣装に似た、大きな鯉が描かれた特注の着物で劇場に足を運ぶほどの熱の入れようです。
そんな人が多く集まるロビーに、胡蝶蘭が届いた。しかもピンクの胡蝶蘭の花言葉は“あなたを愛しています”です。紀香さんにとっては当たり前の心遣いでしょうが、ファンは過剰に反応してしまった。そういうことを引きずる世界ですから、すごく難しいんです」(前出・ある梨園の妻)
※女性セブン2016年2月25日号