ライフ

パクチー出荷が5年で3倍増 ついに今年ブレークか

苦手な人もいるが、癖になる香りだ(Fomaa / PIXTA)

 今年、本格的に人気が出そうな食材がある。タイ料理に欠かせないパクチーだ。その広がり方を食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が解説する。

 * * *
 これまで幾度となく「ブーム到来!」と言われてきたのに、実はまだ流行のピークはまるで先という食べ物は、いくつもある。最近では行列の代名詞として復活したポップコーンも少し前までは安居酒屋のお通しでしかお見かけしなかったし、プレミアムじゃない頃のロールケーキも地味なおやつの時代が長かった。

 そして幾度となく「ブーム」の洗礼を受けながら、ここに来て「ブーム」卒業の兆しを見せている食材がある。「パクチー」である。「パクチー」はタイ名であり、英語では「コリアンダー」、中国でも「香菜」として親しまれている。葉だけではなく種子としてのコリアンダーはカレーに欠かせないスパイスだが、その話はまた別の機会に譲りたい。

 本日の主役、葉のほうの「パクチー」はタイ料理などで何度となく「ブーム」を迎えていたが、ここ最近いよいよ日常で見かける機会が増えてきた。「ブーム」「トレンド」を越え、完全に定着期に入ったと言っていいだろう。

 発信側でとりわけ本腰を入れているのが、SPICEの「S」とHERBの「B」を社名に掲げる、エスビー食品。同社のパクチー出荷実績はこの5年で、フレッシュ・ドライともそれぞれ3倍に。「本格的な浸透はまだ先」とは言うものの、展開については積極的。今年に入って家庭向け「クリーミーパクチーソース」のほか、サラダ用のシーズニング、パスタソース、カレーの素などジャンル横断でパクチー商品を発売。さらに業務用にもパクチーペーストなど新商材を投入し、完全な”パクチー推し”体制に入っている。

 他メーカーにも”パクチー”推しの機運は急速に広まりつつある。今月、味の素もサラダ用シーズニング「Toss Sala」に「タイ風エスニック味」を投入。来月には焼きビーフンでおなじものケンミンが新しく「手軽に料理しタイ」というダジャレのようなネーミングのラインナップを立ち上げ、「トムヤムクン」にはパクチーフレーバーオイルが別添される。さらに同月、マルコメがパクチー入りの「トムヤンクン風みそ汁」を発売。”パクチーメニュー”の枠は急速に広がりつつある。

関連記事

トピックス

大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
「What's up? Coachella!」約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了(写真/GettyImages)
Number_iが世界最大級の野外フェス「コーチェラ」で海外初公演を実現 約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン