放送法では国が費用を負担する国際放送について政府の命令を認めているが、政権が具体的な番組内容まで介入したのは初めてだった。このときNHKが加盟する日本新聞協会は「報道・放送の自由を侵すおそれがある」と重大な懸念を表明した。
それがいまやテレビ局は、先の衆院選前に自民党から「報道の公平・中立」を申し入れる圧力文書を突きつけられても「言論弾圧の証拠だ」と公表して反撃することさえできなくなった。
だから自民党からは完全に舐められ、自民党幹部は、古舘、岸井、国谷の3氏の降板も、「こちらがクビを切れといわなくても、各局の上層部が官邸の顔色をうかがって降板させてくれた」と笑っているのだ。
※週刊ポスト2016年2月26日号