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日本のメガバンク 見た目で分かる合併前の出身銀行

見た目でわかる出身銀行 イラスト/河南好美

 かつて日本のサラリーマンは、入社した企業の社風に染まることが奨励された時代があった。不況やグローバル化という経済環境の変化で個人が重視されるようになると、社風について語られることは減った。とはいえ、社風は依然としてあり、それが会社の“活力”と連動していることも事実。日本を代表するメガバンクの社風を探った。

「銀行は典型的な装置産業。商品の差別化が容易でないため組織が内向きになりがちで、出世をめぐる闘争が社風として表れやすい」と解説するのは、金融機関を30年以上取材している金融ジャーナリストの森岡英樹氏だ。

 一見、風貌には大差がないように見える銀行マンだが、森岡氏は「見ただけでどこの銀行かわかる」という。

「たとえば、三菱東京UFJはスーツをカチッと着こなす。三井住友でいえば、住銀出身は頭髪が極端に短く“もっちゃり”しているなど、出身行によってかなり違いがある」

 これまで銀行業界は合併を繰り返してきたが、合併時の力関係でその後の社員の立場・出世コースが決まってくる。当然、強い側が主導権を握るので、弱い側は面白くなく、反発するようになる。結果、合併しても融合はなかなか進まず、出身行によってまったくカラーが違ったままになるという。

「みずほ社内ではイタリア人、フランス人、ドイツ人がいるといわれる。おしゃれでラテン系のイタリアは興銀出身、官僚的なフランスは富士銀出身、お堅いだけのドイツは第一勧銀出身。

 それぞれ頭文字を取ると、興銀の英語表記IBJはイタリアのI、富士はフランスのF、第一勧銀はドイツのDにうまくあてはまるようになっている。彼らは居酒屋で自らそうした色分けをして楽しんでいる」(森岡氏)

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