信繁の幼なじみで、真田家重臣の娘きり(長澤まさみ・28才)。彼女はのちに、信繁の生涯のパートナーになるが、農民の娘で、信繁の最初の妻となる、梅とのつきあいを、「身分が違うから」と、父からとがめられるも、「身分の違いなど考えたことはない」と反論するきりは、とてもリベラルな考えの持ち主だ。
数々のドラマのノベライズを手がけるライターの木俣冬さんは、きりの性格をこう分析する。
「分け隔てなく、誰とでも平等につきあえるから、きりは信繁からも信頼され、松からもかわいがられ、同性人気も高い。確かに、誰にでも同じようにつきあえる女性は現代でも、同性から慕われますよね。ただ、きりのようにぶっきらぼうでは、男性から女性として扱われにくい。
3話で、信繁が櫛をプレゼントするシーンでも、梅にはきれいな木箱に入れて渡したのに対し、きりのは簡易包装。“ずいぶん扱いに差がありますね”と、きりはむくれていました。同性から見ると素直になれないきりは、かわいらしいのですが、好きな男性への対し方はマネしない方がいいかもしれません」
信繁から思いを寄せられながら「私なんて…」という態度を示す梅(黒木華・25才)。そのくせ、松を助けられず落ち込む信繁を、普通は慰めようとするはずの場面で、梅は「真田の郷に何かあったときは、必ず、私をお助けくださりませ」と、予想外の言葉で男を翻弄する。
その梅の愛されポイントとは? チーフ・プロデューサーの屋敷陽太郎さんはこう語る。
「女性スタッフたちが、“結局、男は梅が好きなんですよね”とこぼすほど、彼女は男ウケのいいキャラクター(笑い)。ですが、彼女はただの大人しくていい人ではなく、強さとしたたかさを持ち合わせています。いざ争いになると武器を持って敵に立ち向かって行くのですから(笑い)。そのギャップが魅力的だし、思わず応援したくもなるんですよね(笑い)」
※女性セブン2016年3月10日号