「そのあと、実家に那覇署から電話がかかってきて、『(那覇市内の歓楽街である)松山の風俗店で働いていましたよね?』と聞かれたんです。正直にお店のことを話しました。警察からはその話をもとにした供述調書を出すといわれて、いうとおりにしました。そこから、2人の逮捕につながったんだと思います」
これらの証言についてA氏に事実関係を確かめようとしたのだが、勤務する福祉施設の職員に聞くと、「最近は顔を出していない」という。今井氏の自宅にもその姿はなく、同居する彼女の母親は「事務所を通してください」というのみだった。事務所を通じて今井氏とA氏に事実確認を求めたが、「以前回答させて頂いた通り」とのことだった。
前号でも述べたとおり、2人の真剣な交際を否定するつもりは全くない。だが、「子供や母親が明るい希望を持てる社会づくりをしたい」という今井氏の政治理念と、未成年の少女を風俗で働かせていた男性を庇う姿勢とは、あまりにもかけ離れて見える。これでもまだ、彼女は有権者から「あたたかく見守って」もらえると思っているのだろうか。
今回のスキャンダルに関しては、ろくな身体検査もせずに今井氏を「SPEED出馬」させた自民党の責任も重い。党幹部たちはこの一件を「彼を更生させようとしている美しい話だ」と美談にすり替え、3月13日の党大会では今井氏に「君が代」を斉唱させるとぶち上げたのだ。
果たして彼女の歌う「君が代」の歌声は、有権者の心にどう響くのだろう。
※週刊ポスト2016年3月11日号