ビジネス

新機能性ヨーグルト ドリンク型容器にし摂取時間帯が変化

明治市乳営業本部の小沢謙介氏

 ヨーグルト市場の中でシェア4割を占める最大手、明治と聞けば、すぐ思い浮かぶのがあの定番商品。「明治ブルガリアヨーグルト」だろう。だが今、同社でその有名主力商品と同じだけの売り上げを叩き出す一群が存在することをご存じだろうか?

 キーワードは「機能性(プロバイオティクス)」。腸内の善玉菌を増加させ腸を整える機能を持った乳酸菌を配合した「明治プロビオヨーグルト」シリーズだ。作家の山下柚実氏が、ヒットの秘密に迫る。キーワードは「容器変更」「摂取時間シフト」「男性も」だ。

 * * *
「食べてくださっている方のほぼ8割は男性です」

 と同社市乳営業本部ヨーグルトマーケティング部・小沢謙介氏(34)は言った。

「おかげさまで当初計画の2倍以上の売り上げとなり、中高年男性のお客様を中心にしっかり届いたと実感しています」

 同社が保有している乳酸菌は数千種。その中から「PA-3乳酸菌」を発見したのは2006年頃のこと。

「PA-3乳酸菌は当社の保有する数千種類以上の乳酸菌ライブラリーの中から、プリン体に着目して選び抜いた乳酸菌です。菌の発見から9年ほどの時間を経てやっと、商品化することができました」

 プリン体とは細胞の中心核にあり、遺伝子を構成する重要な物質の一つだ。

「プリン体そのものは悪者ではなくて生命活動に必要な物質なんです。しかし過剰に溜まりすぎると尿酸値が高くなり、痛風などの遠因になることが知られています」

 痛風患者数は25年間で約4倍に増え推定100万人。背景に食生活の変化が影響しているとされ、患者の9割以上は男性だ。女性はホルモンの作用で尿酸を溜めこむことが少ないと言われる。

「『PA-3』がプリン体を気にしている方々のサポート役になれたら幸いです」

 ヨーグルト=女性というイメージを打破して、通常のヨーグルトとまったく違う消費のされ方をしている「PA-3」。「プリン体と戦う乳酸菌」のキャッチコピーでターゲット層を絞り込んだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン