国際情報

在日中国人向けフリーペーパー「1週間以内入籍可」の広告

フリーペーパーの募集にはいたるところに「黒転白」の文字が

 日本の中国人が多く暮らす地域では、商店などに中国語のフリーペーパーが置かれている。中国人が日本で暮らすための情報が満載だが、詳しく解読すると中国人の生活の裏側が見えてくる。フリーライターの西谷格氏が、その驚きの掲載情報をレポートする。

 * * *
 東京・池袋は中国人が多く、店や事務所を構える者も多い。駅北口の中国食材店の裏の一角にはタブロイド判のフリーペーパー(新聞)が山積みになっていた。「華風新聞」「聯合週報」「聞声報」などの大陸の簡体字がびっしりと並ぶ紙面は当然、中国人読者を対象としたものだ。

 記事の多くは中国の新聞やネットメディアを転載したもので、日中間の政治経済、社会、文化など多岐にわたる。多くが週刊で、体裁は日本の夕刊紙などと大差はない。紙面の大半は広告だが、風俗店や飲食店の募集に混じって目に付く文言があった。

〈不法滞在・不法入国・黒転白等簽証的取得〉、〈上陸特別許可(強制退去的簽証取得・入国可能)〉、〈他人名義入国者的在留特別許可〉、〈非法入国者的在留特別許可〉、〈無護照、不法滞在特別再留許可〉

 中国語を知らなくてもおおよその見当が付く物騒な言葉が散らばっている。それらは外国人に向けたビザ取得を行う行政書士事務所の広告だ。「簽証」はビザ、「護照」はパスポートを意味する。不法滞在や強制退去処分を受けた中国人に対してビザ取得等の手続きを請け負うらしい。

 とりわけ目を引く「黒転白」は、「黒いものを白いものにする」。曖昧な表現だが、この惹句に誘引される中国人は少なくないようで、広告を出している業者のうち半数近くがこの文言を謳っていた。こういった広告について問題はないのか。

「問題のある表現だと思います。黒が白になるはずがない。行政書士の品位を害するような行為を禁じた、行政書士法10条に抵触の可能性もあるでしょう」(中村和夫行政書士)

 また、行政書士事務所が結婚相談と手続きを請け負う旨の広告もあった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン