とはいえ、浮気がわかったら夫のすべてがイヤになるものでは?
「妻が夫のイヤなところを見るのは、離婚を正当化する理由を探すためであり、本気でやり直したいなら、まったく違う見方をすべきです。不満を述べるのではなく、『これからどうしたいのか』を冷静に話し合い、『そのためにどうすべきか』を一緒に模索すべきです」
さらにこんな悩みもあるのだ。
《何をするにも“私はダメだ”と思い込むマイナス思考をどうにかしたい》(岡山県在住・54才女性)
岸見さんは、アドラー心理学において、「私にできるはずがない」という考えは、自分が現実的な努力をしないための言い訳とみなされると指摘。そんな時に役立つのが「価値の転換」だ。
「短所だと思い込んでいることが実は長所になるケースも多い。たとえば赤面症で自分に自信がない女性がいるとして、赤くなった顔を“かわいい”と好む男性もいます。同様に『暗い』は『物静か』、『頑固』は『意志が強い』となる。大切なのは自分を否定するのでなく、価値を転換して自分を好きになること。人間は自分を好きになれれば、他人のことも好きになり、他人との信頼関係を築けるのです」
多くの人は、幸せになるには他人から褒められたり、認められることが必要不可欠だと考え、“あるべき私”を過度に意識してしまう。
「でも、他人からどう思われているかなんて気にしなくていいんですよ。大切なのは、自分自身に価値があると思うこと。そこから勇気を奮って、結果を恐れず一歩前に踏み出すこと。それができれば、いくつになっても違う人生を歩めます。アドラーはこう言っています。『人は死ぬ前の日まで変われる』と」
今この瞬間から、幸せになれるかなれないか。すべては、あなたしだいだ。
※女性セブン2016年3月31日・4月7日号