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消費増税凍結で上昇期待の銘柄は選挙、不動産、小売、外食

 参議院選挙を控えた今、来年4月に予定される消費税率10%への引き上げが凍結される見通しが強まっている。「国際金融経済分析会合」で、2人のノーベル賞経済学者が「増税先送り」を進言したのもその追い風となった。安倍政権が消費増税凍結を表明すれば、株価は爆騰間違いなし。その瞬間に向けて、株式市場では期待が高まっている。

 カブ知恵代表の藤井英敏氏は「大幅な株価上昇が狙えるのは、時価総額が小さくボラティリティ(変動率)の高い小型株だ」として、次のような見方をする。

「その決断を民意に問うため、増税先送りと衆参同日選はセットになるはず。そこでまず短期的に注目したいのは選挙関連銘柄。特に自社開発の選挙機材を扱うムサシは選挙関連のど真ん中銘柄といえます。選挙情報サイトを運営するパイプドHDも選挙のたびに物色されるので目を向けておきたい」

 次に恩恵を受けるのが、高額な買い物である不動産関連だろう。

「増税前の駆け込み需要は期待できなくなりますが、選挙に向けた景気対策に住宅購入促進策などが盛り込まれるのは必至。不動産仲介業で好調が続くハウスドゥ、都心を中心に借り上げた不動産を転貸するサブリースが主力のAMBITIONはインバウンド需要で拡大する民泊関連でも注目。ほかにもアパート経営のプラットフォームをウェブ展開するインベスターズクラウドも妙味がある」(同前)

 さらに、マンション傾斜問題で注目を集める地盤調査に強みを持つ地盤ネットホールディングスにも期待は高まると藤井氏は見る。

 増税凍結による内需の回復に伴い、「小売」「外食」関連も外せないところだ。「小売では、100円ショップのキャンドゥが時価総額300億円以下、中古PC販売で引き取り回収などが堅調のパシフィックネットは時価総額が34億円程度と小さく、大幅な値動きが期待できます。

 外食では、丸亀製麺を展開するトリドール、280円均一の焼き鳥屋で出店攻勢をかける鳥貴族などはアクティブな個人投資家の人気が高く、大きく反応しやすい銘柄として挙げておきたい」(同前)

 いずれも時価総額は総じて小さく、「短期的には少なくとも5割増は期待できるし、時価総額300億円以下の銘柄ならテーマ化して勢いがつくと、株価倍増も狙えると見ています」と藤井氏は期待を寄せる。

※週刊ポスト2016年4月8日号

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