「バレンタイン」「ハロウィン」に続いて「イースター」も日本に普及するのだろうか。鬱陶しいと思うおっさんたちのために、大人力コラムニスト・石原壮一郎氏が立ち上がる。
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どうやら、3月27日の日曜日は「イースター」だそうです。「イースター」と聞いてその由来をすらすら説明できる人は、はたしてどれだけいるでしょうか。何となくキリスト教方面の行事だということはわかりますが、それ以上のことはよくわからない……。それが日本の大人の標準的なスタンスではないでしょうか。
そんなイースターが、ハロウィンに続いて「日本の年中行事」の座を狙っています。アメリカ生まれのディズニーランドが、2010年からイースターがらみのイベントをやっているのは、まあ仕方ありません。さらにおととしあたりから、お菓子会社がイースターを当て込んだ商品を発売。となると、「恵方巻」を広めたコンビニ業界も黙っちゃいません。ファミリーマートは今年から、イースターに向けた大型キャンペーンを始めました。
そもそもイースターとは、イエス・キリストが死後3日目に復活したことを祝う日。「復活祭」とも呼ばれ、「春分の日の後の最初の満月から数えて最初の日曜日」と定められています。復活の象徴となっているのが、タマゴと繁殖力の強いウサギ。派手に飾り付けたゆで卵を食べたり飾ったり、ウサギの耳をつけて集まったりするそうです。スーパーのお菓子売り場やファミリーマートに行くと、イースターに向けて作られたタマゴ形のお菓子がたくさん並んでいるはず。ウサギの耳も、きっとあちこちに売っているでしょう。
ハロウィンだってほんの5、6年前までは、今とは比べ物にならないぐらい地味でした。この調子だとイースターも、数年後にはそこそこ定着するに違いありません。ちょっとすかした若者やオシャレなファミリーが、ホームパーティとかして盛り上がっている光景をテレビなどで見せつけられるかと思うと、いまから鬱陶しい気持ちになります。
微妙な端境期にある今年のイースターに、大人としてどう立ち向かうか。知らん顔して過ごすという選択肢もありますが、せっかくなので活用の仕方を考えてみましょう。