リストには、まさに日本企業のオールスターが揃っている。東芝、パナソニック、ソニーなど、「買収計画」が何らかの報道で取り沙汰された大手家電メーカーはもとより、新日鐵住金、三菱重工業といった重厚長大系、中部電力や東京ガスといったインフラ系に、JR東日本やANA(全日本空輸)といった運輸・交通系までと、実に幅広い。NTTやソフトバンクといった通信系に加え、三菱東京UFJ、三井住友、みずほの3メガFG、第一生命や大手損保などの金融分野にまで手を広げている。

「技術力やブランド力のある日本企業を広範に買っているが、ただの運用ではなく、将来を見据えてのことでしょう。トンネル投資口を使っているとはいえ、なぜ中国は密かに買い集めるのではなく、こんなに目立つ形を取っているのか。それは、何らかのメッセージだと考えられます。つまり、これらは中国にとって価値のある会社であり、いざというときはいつでも資本協力するよ、という意思表示といっていいかもしれません」(田代氏)

※週刊ポスト2016年4月8日号

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