ビジネス

ソニー、ANA、SBら大手98社が中国の「買収ターゲット」に

 経営再建中の東芝が中国の家電大手「美的集団」と白物家電の事業売却について最終調整に入ったと報じられている。台湾企業の鴻海精密工業におるシャープ買収と同様、アベノミクスの円安誘導路線は皮肉にも、中国による日本企業の“爆買い”を促している。ドル建てであれば、日本企業の株価が割安になっているからだ。

 その実態を調査しているシグマ・キャピタルのチーフエコノミスト、田代秀敏氏は今後、中国が「買収ターゲット」に定めるであろう日本企業98社を、独自調査でリストアップした。

 実はそれらの企業は、すでに中国によって買い進められている可能性が高いという。同氏が解説する。

「この98社の共通点は、10以内の大株主に『ザ・バンク・オブ・ニューヨーク・メロンSA/NV10』(SA/NV10)という投資口が名を連ねていることです。このSA/NV10の実態は、中国マネーなのではないかというのが市場関係者の共通見解です。

 かつて、日本企業の大株主に軒並み、『SSBT OD05オムニバス・チャイナ・トリーティ』(OD05)という投資口が現われたことが話題を呼びました。この投資口は香港上海銀行の東京支店が常任代理人を務めており、中国のソブリンファンド(政府系ファンド)であるCIC(中国投資有限責任公司)のトンネル投資口だとされていました。

 ところがそのOD05の名前が2012年から2013年にかけて有価証券報告書から消え、入れ替わるように『ザ・バンク・オブ・ニューヨーク・トリーティー・ジャスデック・アカウント』(TJA)という投資口が登場した。そのTJAも2014年には名前が消え、現在のSA/NV10がほぼ同じ株式保有率で現われました。こんなことは投資の世界ではまずあり得ず、SA/NV10の実態はCICだと考えていいでしょう」

 SA/NV10の本拠は欧州の金融の中心地であるベルギー・ブリュッセルに置かれている。バンク・オブ・ニューヨーク・メロン自体はアメリカの銀行だが、その東京支店に聞くと「その住所は弊社のものですが、あくまで投資家の持つ有価証券の保護預かりや決済を行なう信託口であって、実際の所有や運用については一切タッチしません」とのことだった。

 田代氏の指摘が事実なら、この98社がいま、中国が“関心”を持つ日本企業ということになる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト