芸能

古舘キャスター退任間際に『報ステ』視聴率上昇の理由

古舘氏が抜ける4月以降の『報ステ』はどうなる?

 古舘伊知郎キャスター(61)の退任を目前に控え、3月に入って、『報道ステーション』(テレビ朝日系)の視聴率が上昇している。3月限りで12年間キャスターを務めた古舘氏が退き、後任にはテレビ朝日の富川悠太アナウンサー(39)が就く。

 人気番組『ニュースステーション』の後を受けて始まった同番組は、2004年の放送開始から昨年末時点まで全2960回の平均視聴率13.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。以下同)を獲得。近年、テレビ界全体の視聴率が下がるなかでも、高い数字を残してきた。

 とはいえ、近年は視聴率2ケタを取れないことも珍しくなく、古舘キャスター退任発表前の昨年12月は18回中7回が視聴率1ケタに終わっていた。それが、今年2月は1ケタが1回のみ。古舘氏最後の月となる3月に入ると、昨年12月に3回しかなかった13%越えを既に6回も達成している(3月25日現在)。

 3月18日(金曜)には、古舘氏自身がドイツで取材した特集「独ワイマール憲法の教訓 なぜ独裁が生まれたか」を約27分にわたって放送。自民党の憲法改正草案にある「緊急事態条項」とドイツのヒトラーが独裁のために悪用した「国家緊急権」を重ね合わせ、話題を呼んだ。テレビ局関係者が話す。

「いつもなら『報ステ』は金曜の視聴率がそれほど良くなく、1ケタに終わることも珍しくない。それがこの日は12.8%と高い数字を残した。このような特集ができ、注目を集められるのは、『報ステ』のブランド力や取材力、そしてファンもいればアンチもいる古舘さんの存在も大きいでしょう。テレビ界にとって、この両面を持っている人はすごく貴重な存在です。視聴者は『好きだから見る』だけでなく、『嫌いだからこそ見てしまう』という側面も持っている。古舘さんの退任が決まって以降、この傾向がより顕著になっているのではないでしょうか」

 それでは4月から古舘氏が抜ける『報ステ』はどうなるのか。

「古舘さんは意見を言うからこそ批判されることもありましたが、久米宏さんが『ニュースステーション』で作った“キャスターが意見を言う”という流れを上手く引き継いだ。次期キャスターの富川アナは安定感こそありますが、局アナということもあり、古舘さんのように賛否両論を巻き起こす意見を言う可能性は低いと思います。そうすると、視聴率に影響が出るのではないでしょうか」

 ニュース番組によって、さまざまな作り方や意見を言うキャスターがいてこそ、視聴者は考える材料を得られる。古舘氏が去った後の『報ステ』に注目したい。

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン