芸能

米倉涼子 13年ぶり時代劇は「米倉ドラマの集大成」の声

米倉の代表作になるか?(『かげろう絵図』公式HPより)

 米倉涼子(40才)が主演する特別ドラマ『かげろう絵図』が放送前から話題を集めている。松本清張氏の時代推理小説のドラマ化で、米倉にとっては2003年のNHK大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』以来、13年ぶりの時代劇出演となる。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんがこの米倉ドラマの見所について解説する。

 * * *
 4月8日フジテレビ系で放送される『かげろう絵図』でいよいよ米倉涼子が「大奥」に乗り込んでくる。大奥といえば、女の愛憎渦巻く秘密の花園。今まで米倉がいなかったのが不思議なくらいだ。米倉にとっては13年ぶり二度目の時代劇ということだが、私はこのドラマは、米倉ドラマの集大成になると思っている。

 その理由の第一は、原作が松本清張であること。米倉涼子といえば、2004年の成長ドラマ『黒革の手帖』で、さえない銀行員から汚れた金を元手に夜の女としてのしあがっていく悪女役を熱演。以後、『松本清張のけものみち』、『松本清張のわるいやつら』と主演を続け、清張ドラマの悪女といえば米倉、と言われるまでになった。

『かげろう絵図』は、彼女にとって7作目の清張作品。そもそも絢爛な打掛を身にまとい、にっこり微笑みあっても腹の中は真っ黒な女子がうようよいる大奥は、華麗なドレス姿で足を引っ張りあった夜の女の世界にも似ている。そんな奥女中たちにはイケメン僧侶との禁断のウワサや殺人事件、巨大な黒幕がからんでくる。悪のニオイがぷんぷんする清張ワールドは、米倉には居心地がいいはずだ。

 理由の第二は、これまで米倉が培った技のすべてを『かげろう絵図』で駆使できること。このドラマで米倉が演じる縫は、大奥に奥女中として潜入し、その裏側にうごめく悪事をつきとめるいわばスパイの役。城の中を歩き、聞き耳をたて、隙間から人の動きを注視する。そうです。これは彼女の主演ドラマ『家政婦は見た』の技そのもの。そして「大奥は窮屈で。体を思うままに動かせませぬ」と、袴をはいて刀を抜いて、えいやあ!と居合でストレス解消する縫。そのキレのいいアクションはやはり主演した『交渉人~THE NEGOTIATOR』に通じる。さらに潜入捜査をする縫を心配する医師の新之助(山本耕史)には「心配ご無用です」ときっぱり。米倉は奥女中でも失敗なしですか!

 唯一、このドラマで心配なのは、縫が大奥の悪を絶とうという正義の心を持ち、新之助に恋する乙女だということだ。ということは悪女じゃない!? 縫の前にたちはだかるのは、たくさんの側室を抱え、五十人以上も子がいたという前将軍徳川家斉(津川雅彦)や家斉の愛妾お美代の方の義父で闇の権力を握る中野石翁(國村隼)。美人大好きの津川家斉は、さっそく縫の美貌に目を留め、扇の先で縫のあごを持ちあげて「新顔じゃな」と好色モードに。米倉×津川の顔合わせは、『黒革の手帖』を思い出させる。そこに大奥を牛耳っているのが、高畑淳子と白石加代子というベテランふたりも加わり、ミステリー濃度を上げていく。

 津川、國村、高畑、白石のベテラン妖怪カルテットに純情米倉で太刀打ちできるのか。13年前の大河ドラマ以来、時代劇から遠ざかっていた米倉は今回、改めて時代劇の面白さに目覚めたらしい。個人的には純情版もいいが、悪女版米倉の大奥ものも見てみたい。腹黒奥女中は見た! 次の企画でお待ちしています。

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン